【政治解説】“ポスト岸田”に小池東京都知事の名前も… 5か月連続支持率20%台で泥沼の岸田政権 2024年3月 最新世論調査解説
岸田内閣の支持率は5か月連続20%台と、危機的な状況が続いています。首相自らが出席した政倫審や、自民党の党則の改正も国民の理解は得られていません。そのようななか、上川外相が“ポスト岸田”の上位に急浮上。そして、小池東京都知事に期待する声もささやかれています。NNNと読売新聞が行った最新の世論調査を日本テレビ政治部の竹内デスクと菅原解説委員の同期コンビが徹底解説します。
岸田内閣支持率 “泥沼”の5か月連続20%台
【竹内】 岸田内閣の支持率は25%。これで5か月連続の20%台ということで、低迷は泥沼化しているといっても過言ではありません。 【菅原】 政倫審などやりましたが、結局、“政治とカネ”の問題を払拭するには、全く足りていなかったということでしょうか。
【竹内】 そうですね。前回の調査から今回までの1か月間に、岸田首相が“政治とカネ”の問題について手を打ったことが2つありました。ひとつが「政倫審」。安倍派の幹部、二階派の幹部、そして、岸田首相も自ら説明しました。しかし、世論調査では、出席した議員の説明に「納得できない」と答えた人が81%でした。 【菅原】 結局、あの場では真相解明に至らなかったということを考えると、仕方ないかなという感じもします。 【竹内】 本来でしたら理解がありそうな自民党の支持層に限っても、「納得できない」と答えた人が80%ですから、かなり厳しく見られているということです。
もうひとつ動いたのが、「自民党の党則改正」。会計責任者が逮捕や起訴された時に、議員にも厳しい処分を下すことができるように変えました。しかし、世論調査では、これが「信頼回復につながると思う」と答えた人は28%にとどまりました。
岸田政権にとっての“次の節目”
【菅原】 ここ数か月、「ぎりぎり」とか、「崖っぷち」とか、色々な言葉でお伝えしてますが、この状況はまだ続きそうですか? 【竹内】 多くの人が節目になるとにらんでいるのは、衆議院の補欠選挙です。東京15区、島根1区、長崎3区の3つの選挙区で、4月28日に投開票が行われます。 【菅原】 自民党には‟厳しい“と言われていますね。 【竹内】 はい。そもそも東京と長崎は事件絡みで自民党の現職の議員が辞めたところから補欠選挙になりました。長崎は“不戦敗”になりそうですし、東京も独自の候補者を立てるのはもう間に合わないのではないかといわれているんです。 【菅原】 全部落とした場合は、さすがに‟岸田おろし”ということになりそうですか? 【竹内】 可能性はあると思います。「岸田さんでは選挙を戦えない」ということがわかりやすく示されるのは、やはり実際に選挙をやった時ですよね。補欠選挙で3つとも負けるようなことになれば、やはり、「自分たちの選挙の時にも岸田首相では負けてしまうかも」と思うと、“岸田おろし”が始まる可能性はあります。ただ、岸田首相にとって幸いなのは、今年、必ずしも衆議院選挙や参議院選挙をやらなければいけないわけではないということです。参議院に関しては来年ですから。そういう意味では、直ちに“岸田おろし”が本格化するかというと、そうではないのでないかという見方もあるんです。