金、銀の価格高騰でジュエリーが変わる?コスト抑えデザインで美しく
金をはじめとする素材価格の高騰を受けて、ジュエリー・アクセサリー業界では、商品開発や顧客サービスなどに変化が表れています。製造コストが増大した分を商品価格に転嫁すれば、若い世代を中心とした「ジュエリー離れ」が広がりかねないだけに、各メーカーは、使用する貴金属の量を減らしたり、より安価な素材に変更したり、家庭で眠っているジュエリーの再利用を促したりと、様々なアイデアで顧客のつなぎとめを図っています。 アクセサリーの製造・販売を手がける「JAM HOME MADE」の新作コレクション「034 by JAM HOME MADE」のアイテム「034スケルトンヤコブリングM」は、重厚感がありながら軽量のリングに仕上がりました。 江戸時代に活躍した画家で禅僧の仙厓が描いた有名な抽象画「○△□」に着想を得て、丸、三角、四角のシンプルな形状のアイテムを取りそろえています。 このリングは、旧モデルの重さが23.7グラムなのに対して、新モデルは、3Dプリンターの最新技術を駆使して、素材の銀を精巧に切り抜き、空間を多く取り入れたことによって、重さはわずか6.5グラム。 リングを着けているのを忘れるくらいの軽やかさを持ち味とするとともに、使用する銀の量を削減して、商品価格を抑えました。
金の価格は25年前の14倍に
同社が11月に発売した「-4.0℃ by JAM HOME MADE」は、通常、ダイヤモンドやルビーなどの宝石が留まるトップの部分に、氷に見立てたアクリルが配置されているのが大きな特徴です。 このアクリルの中央に、約0.01カラットの極小ダイヤが封入されています。同社は「低コストと美しさを両立させることに意を配った」としています。 田中貴金属工業によると、25年前の1999年には、金の価格は1グラム1069円前後、銀の価格は同20.82円前後でした。ところが、ここ数年は、コロナ禍やウクライナ紛争による供給チェーンの混乱などが原因で価格が高騰し続け、今年は金価格の最高値が1グラム1万5162円、銀が同189.86円となっており、ジュエリー各社は対応を求められています。