“大規模地震の備え”できていますか? 日頃から意識すべき“防災対策”を内閣府 防災担当が指南「家族との連絡手段や非常持出品の中身もチェックしてください」
◆「南海トラフ地震」最大の被害予想
大規模な地震が起こると、死者数や建物への被害も甚大なものになると予想されます。地震が冬の深夜に発生すると死者が最大になると予想され、その数は約32万3,000人。地震が冬の夕方に発生すると全壊・焼失する建物が最大になると予想され、その数は、約238万6,000棟となります。また、南海トラフ地震は揺れや津波が想定される地域が広く、資産や経済活動への影響などで、200兆円を超える被害額が想定されています。 地震による被害を少しでも抑えるべく始まったのが「南海トラフ地震臨時情報」です。こちらは、想定震源域内やその周辺でマグニチュード7クラス以上の地震が発生するなど異常な現象があった場合、南海トラフ地震が発生する可能性が通常と比べて相対的に高まったとして気象庁から発表される情報です。 現在の科学技術では、地震が「いつ」「どこで」「どのくらいの規模で発生するのか」といったたしかな予想は困難です。しかしながら、南海トラフ地震については“おおむね100年~150年の周期で大地震が南海トラフ沿いで発生している”という特徴があり、前回の地震発生が80年前でいつ起きてもおかしくない状況といわれているため、気象庁が常に観測データを監視しています。 なお、南海トラフ沿いの地震では、複数の領域で同時に発生するパターンと領域ごとに時間差で発生するパターンがあります。「南海トラフ地震沿い以外の事例ですが、2011年の東日本大震災では、2日前にその付近でマグニチュード7クラスの地震が発生していました。世界的にも、マグニチュード7以上の地震発生後7日間は、大規模地震が連続して発生する確率が数倍高くなることが分かっています」と説明します。
◆日頃から防災対策を意識しよう
大規模地震への注意情報が政府から発表されたとき、私たちが取るべき行動は政府や地方公共団体などからの呼びかけに応じた防災対策です。地域によっては津波のリスクも想定されるため、それによって取るべき行動も変わります。地域ごとの呼びかけに応じて、冷静に行動しましょう。 地震は突発的に発生します。慌てずに防災行動を実施するには、日頃からの地震への備えが大切です。臨時情報が発表されてから水や食料を備えるのではなく、常日頃から防災対策を意識しておきましょう。 <防災対策の一例> ・室内の対策 ・出火や延焼防止への対策 ・迅速に避難できる態勢の準備 ・地震発生後の避難生活への備え 地震の場合、倒れてきた家具や火災でケガをしたり、亡くなる方も多いです。家具は固定できているか、窓ガラスの飛散防止対策はできているか、ベッドの頭上に物がないか、火災警報器の電池切れがないかなどを確認して、命を守るための対策をおこないましょう。 また福山さんは「対策したうえで迅速な避難ができるように、地域のハザードマップで危険な場所や安全な避難場所、避難経路をしっかり確認しましょう。そして、家族との連絡手段や非常持出品の中身も常にチェックしてください」と注意喚起します。 水や食料の備蓄は最低3日程度と言われていますが、1週間分を備えるのが望ましいです。また、簡易トイレや携帯ラジオ、携帯電話の予備バッテリーの用意があるかなど再確認しましょう。なお、通常の火災保険では地震による火災や損害は補償されないため、地震保険への加入も一歩進んだ備えといえます。そして、地震に関する情報が発表されたら、日頃からの地震への備えを再確認したうえで、続けて発生する可能性のある1週間は大規模地震に注意しながら、通常の生活を送ってください。 最後に福山さんは「何事もなく1週間が過ぎたとしても、大規模地震が起きる可能性がなくなったわけではありません。日本では、いつ大規模地震が起こってもおかしくありません。それを常に意識して、日頃から防災対策を徹底してください」と呼びかけました。 番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「大規模地震対策」について復習。2人が特に注目したポイントをピックアップして発表します。まず村上は“大規模地震対策 備蓄の再確認を必ずしてください”とポイントを挙げ、「再確認は大事です!」と念押しします。杉浦も“大規模地震対策 命を守るための対策の再確認を!”と書き、「地震や津波に関する防災情報は、内閣府の防災情報のページをご覧ください」とコメントしました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」11月10日(日)放送より)