中学にはなかったイジリ、引きつった顔――ハライチ・澤部佑が語る高校時代のイジメ
イケイケの中学時代を過ごすも高校では一転。複数のグループからのイジメに悩んだ過去を持つハライチの澤部佑(34)。高校生活に嫌気がさし、一時は学校に行きづらい状況に。誰にも相談できない状況の中、過酷な日々をなぜ乗り切ることができたのか。澤部の中にはある思いがあった。(取材・文:遠藤雄士/撮影:倉増崇史/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
輝かしい中学時代から一転。きっかけは「将来の夢」
――はじめに中学時代について教えてください 楽しかったですよ、毎日。バスケ部のエースで、彼女もできて、結構イケイケでしたね。 ただそれでも女子とはあまりうまく話せなくて。相方の岩井は、学年集会でネタをやったり、修学旅行でいろんな女子の部屋を回ってショートコントを何本か見せる、というのをやってたんですけど、自分は人前に出てまでという勇気もないし、ちょっとビビってました。 高校生活のことはあんま特に考えてなかったですね。高校卒業したら「お笑いやろう」という話はしてたんで「お笑い頑張ろう」とか「バスケ頑張ろう」とか。 まあ基本的には中学生の延長みたいな感じで結構いけるんじゃないかと考えていて、友達付き合いがどうとかは別になんら考えてはいなかったと思います。
――イジメのきっかけは? 高校1年の時に、「今考えている進路を書く」みたいなのがあって、それに芸人って書いたんです。チヤホヤされたいというのはあったんですよね。まだ中学の人気者も引きずってますし。だから「お笑い芸人になるんだ」って自分から(周囲に)言っちゃってたんですよね。 クラスの反応は「おーすごいじゃん」みたいな感じで。すでに芸能活動している女の子がいて、その子からも「一緒に頑張ろうね」とか言われてちょっと舞い上がってました。でもそうなってくると「じゃあ、面白いことやってみろよ」と。そうしたイジリが徐々に始まりましたね。 ――具体的にはどのような感じでしたか? 最初はいわゆる仲のいい友人とのイジリですね。総合格闘技をやってたやつがいて。強めのイジリというか、スパーリングや寝技をバンバン決められる。ただ、俺も総合格闘技が好きで、そいつと普通に話したりもしていたんで、まあ自然な流れっちゃ自然の流れなんですけど。でも向こうは単純に強いんでやられてましたね。だからまあ、あんまりいい気ではないんですよね。 あとはスベらせてくる。高田延彦やヴァンダレイ・シウバのモノマネをやらされて「なにそれ全然面白くないじゃん」と真顔で返される。その真顔は、すごい嫌だった記憶がありますね。 他の友達も、自分と二人の時は普通なのに、総合格闘家が入ってくると、そっちのノリに合わせて同じようなリアクションをしだして。「なぜ普段の付き合い方じゃなくなるんだ?」というのは感じましたね。