中学にはなかったイジリ、引きつった顔――ハライチ・澤部佑が語る高校時代のイジメ
「芸人やるんだろう?」キツめのイジリ
――ほかにも複数のグループからイジメを受けていたそうですね ほかには旧式のヤンキーというか。ダボダボの学ランに真っ赤なシャツの古めの着こなし。剃り込みをいれてて、顔はすごいエミネムに似てたんですよ。そのエミネムからは肩パンとかシンプル打撃が多かったですね。 そいつの取り巻きは腹立ったなぁ。野球部のやつなんですけど、ヘラヘラしながら「芸人やるんだろう?」ってマウント取ってくるんですよ。 ――どういったイジリがキツかったですか? 身体的な特徴をイジられるのが結構……。 体毛のことを言われたり「おでこ狭ぇな」「上履きの裏みたいな顔だな」とかはやっぱり傷つきました。 中学の時には味わってなかったんで、返し方にも困って顔を引きつらせてたと思いますね。 ――一時、引きこもりのような状態になったそうですが 引きこもりとは違うんですが、よく休んではいましたね。週に2~3日休む時もありました。 単純に高校が遠かったというのがあるんですけど。自転車で30分以上かかってたんで。 朝起きてズーンと気持ちが重い時はありました。 両親には「今日は休むから」「熱出てるわ」と伝えてたので、ただサボってると受け取ってたと思います。「学校行きなさいよ」と怒ってはいました。 休む時は親が高校に電話しなきゃいけないんですよ。だから働きに出る母親をまずなんとかいなして、「ちょっと遅刻して行く」みたいな嘘ついて。 で、「やっぱり休む」と言って父親に電話してもらうか、父親もいなして最終的に自分で電話してとか。
垣間見たイジリ同級生の引きつり顔
――昼休みはどのように過ごしてましたか? なんか昼休みもしんどかったですね。学食はヤンキーとかトップの人たちの場なんで怖くて行けなくて。一人で弁当食べることも多かったです。ゆっくり時間をかけて、その後は校内うろうろしてたんですよ。あんまり人目につかなそうなところを。 一番仲が良いと思ってたやつも、昼休みはヤンキーのほうに行っちゃうんです。そこではヘラヘラペコペコして「だからお前ダメなんだよ」みたいなのを言い出すのは、なんか嫌でしたね。ショックもでかかったですし、(豹変ぶりが)気持ち悪いなという思いもありました。 ――どうやって乗り越えたのですか? エミネムの取り巻きの野球部のやつも、実は部内ではイジられ役だったんですよ。その様子を見て「結構顔引きつらせて困ってんな、あいつ」と思ってました。 だからそのストレスを全部俺にぶつけてきてんだなというのが全部わかる。俺を笑う側に回るというのは、まあ理解はできるなあっていう。 ただ、俺は芸人になるって決めてたんで「芸人さんのプロのイジリをこれから受けるのに、こんな素人のイジリに屈してたらプロになれない」って思って、なんとか返そうとしてました。顔引きつらせて痛々しく見えたら笑えないし、そこだけは絶対に出さないようにしようって思ってたんですよね。