<日本S速報>ソフトが王道野球で連続日本一!
日本シリーズの第5戦が29日、神宮球場で行われ、王手をかけていたソフトバンクが5-0でヤクルトに快勝。4勝1敗で2年連続7度目の日本一を決めた。4番のイ・デホが4回に先制2ラン、その後、追加点を重ねた。守っては先発のスタンリッジが、6回を無失点に抑えると、森、バリオス、サファテとつなぐ完封リレー。第3戦で1試合3発を放った山田は、2三振を含むノーヒットだった。ソフトバンクは、シーズン90勝を果たした“王道野球”を日本シリーズの重圧に負けることなく見事に再現した。MVPは、シリーズで2本塁打、8打点の大活躍をしたイ・デホ。
その快音を残した打球は高々と神宮の夜空へ舞い上がった。 4回、先頭の明石が、ツーベースで作った一死三塁の先制機。イ・デホが、芯で捉えた打球は、レフトポールのの遥か上をギリギリに巻くようにしてスタンドに飛び込んだ。イ・デホは、ダイヤモンドをゆっくりと走って、ベンチ前の歓喜に迎えられたが、すぐさまベンチを出てきた真中監督は、その疑惑の一打に対してビデオ判定を要求した。9月12日に甲子園で行われた阪神ー広島戦で、田中の打球を巡って、ビデオ判定を用いても、結果的に本塁打が三塁打と誤審された経緯もあって、審判団は、時間をかけて慎重にビデオを見直した。7分間の中断ののち、球審がマイクを持ち「大変長らくおまたせしました。ビデオ映像の確認の結果、ホームランで再開します」と説明。先制の2ランが認定された瞬間、ベンチで、イ・デホは、2度目のガッツポーズだ。 「カットボール。文句のない当たりだった。後は、切れるか、どうかだけだった」 シリーズ2本目。第二戦も先制2ランだった。寝違いによる首痛は治っていないが、「内川がいなくなって私までいなくなったらチームはどうなる?」と、4番の責任感を持って打席に立った。 オリックス時代、監督だった岡田彰布氏が、残り数試合を残して解任されると、監督室をたずねて、「あなたが、どこかで監督をするときは、いつでも呼んでください」と語ったという義理と人情を重んじる熱いスラッガー。トリプルスリー、柳田の不振も、イ・デホの活躍で、ネガティブな話題としてクローズアップされることもなかった。工藤監督は前日「イ・デホ様様」と言ったが、まさにイ・デホ様様のシリーズとなった。 ソフトバンクは手を緩めない。5回に、また先頭の今宮がレフト線を破るツーベース。鶴岡は送ることができなかったが、何度もバスターで揺さぶったスタンリッジが、なんと四球を選び、ヤクルトベンチは、先発の石川から石山にスイッチ。川島は、三塁正面のゴロだったが、これを川端が弾き、塁が埋まった。明石が粘ってレフト前へタイムリー。1点を追加、さらに続く満塁で柳田は高いバウンドの一塁ゴロに終わったが、2点目の走者が生還。4-0とリードを広げた。 第3戦で脅威の3連発を放った山田のバットもソフトバンクの先発、スタンリッジに対して沈黙を続ける。 最初の打席は、外の変化球に三振。三回一死一二塁のチャンスにも、山田は、初球の甘いスライダーを見逃し、外のストレートで、ポンポンとカウントを追い込まれた。フルカウントまで粘って、そこから2球ファウルしたが、最後はスライダーに空振りの三振。完全にタイミングを外されてしまっている。 工藤監督は、7回からは、迷わずスタンリッジから森へ継投。8回はバリオス。一死一塁から山田にフォークをうまく拾われ打球は、レフト後方を襲ったが、川島が下がりながら好捕。9回に二死三塁から柳田にようやくセンター前へ落とすタイムリーが出てダメ押しの1点を追加し、5-0とすると、最後は、守護神のサファテが3人で締めて、マウンド上に欠場していた内川まで加わって歓喜の日本一の輪ができた。