「スマホいじっている時間じゃない。日の丸背負って歩いて」APECの首相に 中山泰秀氏
外国首脳に座ったまま握手、会議前にスマートフォン操作、首脳勢ぞろいの記念撮影に欠席─。ペルーで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)での石破茂首相の行動がSNSで物議を醸している。外務副大臣、衆院外務委員長を歴任した中山泰秀元自民党衆院議員は産経新聞の取材に「会議前の時間は有効活用するべきだ」と強調し、「海外の首脳と明るく交流した安倍晋三元首相の『フレンドシップ外交』と真逆に見えてしまった可能性がある」と危惧する。 【写真】2018年5月に米国での国際経済会議に参加した衆院外務委員長時代の中山泰秀氏 ■「外務官僚は首相を誘導すべき」 ──首相は15日のAPEC首脳会議前、カナダのトルドー首相らが駆け寄って握手を求められた際、椅子に座ったまま応じた 「その映像を見たが、立ち上がって握手する方が印象は良い。私ならすぐに立ってあいさつする。(SNSなどで)問題視されるのも仕方がない。首相の後方に控えていた外務官僚が「ご起立を…」の一言があるべき。首相の性格なら『ああ、そうなの』と応じる。外務官僚が首相を誘導すべきだった」 ──首相は座って資料に目を通したり、スマホを操作したりしていた。10月に就任した首相にとって、自身を海外の首脳に売り込める機会だったはずだ 「会議前の貴重な時間は有効活用すべきだ。各国首脳は『Hello、Hello』と交流を深めている。大事な連絡があったのかもしれないが、スマホに集中しているのはよろしくない。私なら(会議開始を知らせる)木づちが叩かれるまで、歩いて歩いて歩き抜く。注目を集めている大国の首脳と握手するのもいい。目立たない国の首脳にあいさつするのもいい。日の丸背負って首相の個性を宣伝すべきだ」 「国際会議の舞台でスマホを使うのはセキュリティ上のリスクを抱えている。望遠レンズで画面が撮られてしまい、スマホのロックの外し方や閲覧した内容が漏洩する恐れがある」 ■「集合写真に入れなかったはあり得ない」 ──15日の日中首脳会談で習近平国家主席に対し、片手ではなく、両手で握手したことを問題視する声もある 「首脳同士の握手のルールは両手か片手かは決まっていない。両手の方が丁寧な印象を与えることもある。私はハグする場合もあった。時と場合による。大事なのは相手に尊崇の念を伝えることだ」