高すぎた「クルマのガソリン価格」引き下げへ! 目的のない「暫定税率」廃止が決定に 「トリガー条項」「補助金」はどうなる? 実際「どれくらい安く」なるのか
いつから開始? 今後の予定は
こうした燃料課税についての概要を聞けば、「暫定税率が廃止されるのは当然」と思う人が少なくないでしょう。
ただし、課題は財源です。 「103万円の壁の引き上げ」についての議論でも同様ですが、国や地方自治体の歳入が減ると、その分をどうやって工面するのかが課題になるのは当然です。 歳入が減れば、国民や地域住民の生活を支える、公的な歳出を見直す必要も出てきます。 また、暫定税率の廃止における財源の問題は、車体課税でも浮き彫りになっています。 自動車メーカーなどでつくる業界団体の日本自動車工業会は2024年10月、車体課税の抜本的な見直し案を公表し、これを事実上のたたき台として、与党税制調査会、財務省、総務省による議論が進んでいるところです。 年末までに公開される予定の、令和7年度税制改正大綱の中で大筋を明記し、来年末の令和8年度税制改正大綱までに詳細を決め、令和8年(2026年)4月からの実施を目指すとしています。 では、こうした国のスケジュールの中で、いわゆるガソリン減税(ガソリンなどの暫定税率の廃止)をどこに盛り込むのでしょう。 本来、車体課税の抜本的な変革と燃料課税の変更は、同じ時期に同じテーブルの上で議論されるのが筋だとは思うのですが…。 いずれにしても、ガソリンや軽油の価格は、原油価格によって大きく上下することに変わりはありません。 日本は原油のほとんどを海外からの輸入に頼っているため、原油の価格変動に対して終始受け身の状態が続きます。 その上で、景気対策として現在、「燃料油価格激変緩和補助金」が数兆円規模で導入されている状況です。直近(2024年12月12日~18日)では、レギュラーガソリン全国平均価格189.7円に対して14.3円の抑制効果が出ています。 この補助金についても、来年度予算では縮小する方向との報道があります。 ガソリン減税を含めて、結果的にガソリンや軽油の小売価格はこれからどう変化するのか。今後の国の動向を注視していきましょう。
桃田健史