4試合連続の後半AT失点、でも…前を向く柏MF手塚康平「勝ち続ければ相手がどうこうは関係ない」
[11.9 J1第36節 柏 1-1 新潟 三協F柏] 今夏にサガン鳥栖から完全移籍し、古巣である柏レイソルに4年半ぶりに復帰を果たしたMF手塚康平。累積による出場停止の1試合をはさんで、7試合連続でスタメンに起用されている。 【写真】「全然違う」「びびるくらいに…」久保建英の9年前と現在の比較写真に反響 セットプレーのキッカーを務めるレフティは、前半33分、敵陣でのFKの場面で、FWマテウス・サヴィオ、DFジエゴを経由し足元におさまると、新潟のGKと最終ラインの間に鋭いクロスを入れる。GK小島亨介が飛び出すも触れられなかったボールをFW木下康介がヘディングでとらえたが、ボールは枠に飛ばなかった。 「キックのフィーリングも前半からそこまで悪くなかった」という手塚の左足がアシストに結びついたのは、後半28分だった。左CKで手塚が左足で入れたボールを、中央でFW細谷真大がヘディングで合わせてゴールに叩き込んだ。 第34節の町田戦でも手塚のCKから細谷が決めているが、GKがこぼしたところを細谷がつめた形だった。手塚の左足から放たれたクロスを細谷がキレイに頭で合わせた。「いろいろセットプレーの練習をやっている中で、練習通りにやれた」と手塚はゴールシーンを振り返る。 Jリーグ公式サイトによると、新潟は1試合平均パス数が586.8本とリーグトップ。前後半を通して新潟がボールを支配する時間が長くなったが「想定内というところもありました」と井原正巳監督。柏にとっては折り込み済みの展開だった。 「焦れずに守り続けられた」とボランチでフル出場した手塚はいう。「相手がうまいこともわかっていました。最初のところを突破されても、最後みんなが戻って守ればやられることはないので。ボールを持たれているときの振る舞い方はよかったと思います」と90分の戦い方については手応えを感じていた。 そして、柏がリードしたまま試合は最終盤へ。柏にとっては“魔の後半AT”に突入する。町田戦(△1-1)、浦和戦(●0-1)、福岡戦(●1-2)と3試合連続で後半ATにゴールを献上。相手陣内の深い位置でボールをキープするなど時間を進める工夫をしていたが、後半AT4分、DF藤原奏哉にゴールを許した。1-0のまま勝利していれば新潟と順位が入れ替わる重要な一戦だっただけに痛恨の失点だった。 第36節を終えて、16位新潟(勝ち点41)、17位柏(同40)の順位は変わらず。降格圏の18位磐田(同35)がG大阪に敗れたため、柏と磐田の勝ち点差は「5」になった。ただし、磐田は消化試合が1試合少ないため、勝ち点差を「2」までつめられる可能性は残している。 とはいえ、柏は2連勝をすれば自力で残留をつかむことができる立場にある。「まわりの結果ももちろんすごい関わってくる状況になってしまいましたけど、でも自分たちは勝ち続ければ相手がどうこうっていうのは関係なくなる」と手塚は前を向く。 柏の次節はホーム最終戦、現在首位を走る神戸を迎え撃つ。そして、最終節は敵地で19位札幌との対戦が待っている。