【定年延長後の給与】定年延長の「条件」で給与を減らされました。これって問題はないのですか?
定年延長後に給与が下がった場合は、高年齢雇用継続給付の利用を
もし、定年延長で給与が下がってしまった場合、高年齢雇用継続給付の基本手当の受給を検討してみてください。本給付金は下記条件を満たすことで受給ができます。 ●60歳以後の給与が60歳時点の75%未満になる ●雇用保険について、60歳以上65歳未満の一般被保険者である ●雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある 支給額は、60歳到達時の賃金と現在の賃金とを比較した場合の、低下率によって変わります。支給額は、60歳到達時の賃金月額と比較した賃金額の低下率に応じた支給率を、現在の賃金額に乗ずることによって算出できます。低下率は下記のように計算します(下記の速算表もあわせて確認してください)。 「低下率」(%)=支給対象月に支払われた賃金額/60歳到達時の賃金月額×100 表1
※出典:厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~ Q8」 参考までに、60歳到達時の給与が30万円で、その後月額20万円に賃金が低下した場合、低下率は66.67%で、1万6340円が支給されます。 ※出典:厚生労働省「Q&A~高年齢雇用継続給付~ Q9」 高年齢雇用継続給付の基本手当は65歳になるまで受給できるため、最大で5年間受け取ることができます。先ほどの例の場合、最大で98万400円も受け取ることができます。 なお、高年齢雇用継続給付の申請は、原則事業主を通じて行います。詳細については、勤務先へ相談してみてください。
まとめ
定年延長の条件で給与を減らされた場合、それについて合意もなく、かつ合理的理由もないような状態であれば、違法である可能性もあります。仮に違法ではないケースで給与が下がっても、65歳までは高年齢雇用継続給付もあり、一定部分までは給与が減少しても減額分をカバーできるようになっています。 しかし、定年延長の条件での給与減が違法であるかは一概に判断できないため、悩んだときは専門家などに相談することをおすすめします。 出典 厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~ 執筆者:柘植輝 行政書士
ファイナンシャルフィールド編集部