トリニダード・トバゴが非常事態宣言、殺人事件多発で
(CNN) カリブ海の島国トリニダード・トバゴは12月30日、殺人事件が立て続けに発生している状況を受けて、非常事態を宣言した。ローリー首相は声明で「容認できないほどの暴力犯罪の多発」を抑制するための措置とした。 非常事態が宣言されると、警察は令状なしで家宅捜索ができ、容疑者を最長48時間拘束できる。 夜間外出禁止令は発令されない見通し。 2024年に同国で発生した殺人事件の死亡者は623人と、警察の記録では13年以来、最多となった。 同国の人口は150万人。米政府監査院(GAO)によると、トリニダード・トバゴの殺人発生率はカリブ諸国の中でジャマイカ、ハイチと並んで最も高い。カリブ諸国における暴力による死者数は世界平均の3倍近くにのぼる。 トリニダード・トバゴの警察は、ギャング関連の強力な武器を使った犯罪が今後増加する可能性があると警告している。 ヤング司法長官代理は会見で、12月だけで61件の殺人事件が発生したと明らかにした。ここには28日に首都ポートオブスペインの警察署近くで発生した大口径の自動小銃による殺人事件も含まれている。この事件では1人が死亡し、24時間もしないうちに5人が死亡、1人が負傷する事件が発生した。 27日には2人が殺害され、この他にも23日以降、15人が銃による事件で死亡したという。最近発生した一連の事件は「ギャングによる暴力」と警察はみている。 米国務省によると、殺人や暴行、誘拐といったトリニダード・トバゴの暴力犯罪の大半は犯罪組織の活動や麻薬取引に関連しているという。