エンゼルスの現在地 若手有望株成長も地区最下位&10年連続プレーオフ絶望的 トラウト4年連続長期離脱
「エンゼルス―ドジャース」(3日、アナハイム) 大谷翔平のFA流出により投打の大きな柱を失ったエンゼルスはここまで137試合を戦って57勝80敗。借金23でア・リーグ西地区首位アストロズから17・5ゲーム差で最下位に沈み、4位アスレチックスを2・5ゲーム差で追う苦しいシーズンを強いられている。14年以来となるプレーオフ進出は10年連続で絶望的、9年連続負け越しも決定的な状況にある。 昨季終了後に首脳陣を大幅入れ替え。レンジャーズをワールドシリーズに導いた実績のあるロン・ワシントン氏を新監督として招へい。開幕戦からベテラン内野手のレンドンを1番で起用するなど、斬新なラインアップで注目を集めた。開幕は連敗スタートから4連勝と巻き返し、新しい風を感じさせたが、4月下旬から大型連敗が続き、5月に入って早くも借金は2桁に。好調だったトラウト、レンヒーフォの中軸コンビが相次ぎ長期離脱する不運も状況を悪化させた。6月末には6連勝を飾り、好転の兆しを見せたが、好調を維持できず、アスレチックスと最下位争いを繰り広げている。 就任4年目のミナシアンGMは育成システムの改善などを評価され、8月に2年の契約を延長。しかし、大谷在籍時からの懸案事項だった投手陣の強化は進んでおらず、今季のチーム防御率は30球団中26位の4・52。先発陣に限れば、同28位の4・85の惨状だ。 9年目の34歳左腕アンダーソンがチーム最多の10勝、防御率3・55を挙げているが、サンドバルの左肘手術など、不運があったとはいえ、ドラフト高順位で獲得した有望株がローテーションの柱になりきれていないのが現状。リリーフから先発に転向したソリアーノが6勝、防御率3・42と来季への期待を抱かせているが、圧倒的に数は足りない。 打線もチーム打率は27位の・231、同26位の・675と苦しんでいる。そんななか、22年ドラフト全体13位指名の遊撃ネトがメジャー2年目で20本塁打、20盗塁を達成。17年ドラ1の外野手アデルは打率こそ・211と低調ながら20本塁打、60打点をクリア。オハビー、モニアック、シャヌエルらも飛躍的に出場試合数を増やしており、来季につながるシーズンを送っている。 ▽エンゼルスのラインアップ 1番・左翼 ウォード 打率・240 19本塁打 61打点 OPS・726 2番・遊撃 ネト 打率・250 20本塁打 66打点 OPS・764 3番・一塁 シャヌエル 打率・248 12本塁打 43打点 OPS・708 4番・三塁 レンドン 打率・228 0本塁打 11打点 OPS・595 5番・中堅 モニアック 打率・233 12本塁打 44打点 OPS・673 6番・捕手 オハピー 打率・241 17本塁打 50打点 OPS・700 7番・二塁 ドルーリー 打率・160 3本塁打 13打点 OPS・463 8番・右翼 アデル 打率・211 20本塁打 61打点 9番・DH カバダス 打率・088 1本塁打 3打点 OPS・338 投手 デトマーズ 3勝6敗 防御率6・14 ▽ドジャースのラインアップ 1番・DH 大谷 打率・292 44本塁打 98打点 OPS・993 2番・右翼 ベッツ 打率・301 14本塁打 58点 OPS・886 3番・一塁 フリーマン 打率・288 21本塁打 83打点 OPS・881 4番・左翼 T・ヘルナンデス 打率・270 28本塁打 87打点 OPS・830 5番・捕手 スミス 打率・247 17本塁打 68打点 OPS・758 6番・中堅 エドマン 打率・286 0本塁打 5打点 OPS・641 7番・三塁 マンシー 打率・234 11本塁打 35打点 OPS・837 8番・遊撃 ロハス 打率・287 4本塁打 31打点 OPS・738 9番・二塁 テイラー 打率・179 3本塁打 16打点 OPS・559 投手 ビューラー 1勝4敗 防御率5・88