第154回 芥川賞受賞者・滝口悠生氏の記者会見(全文)
芥川賞受賞に自信があったか?
朝日新聞:朝日新聞のタカツです。おめでとうございます。 滝口:ありがとうございます。 朝日新聞:以前取材で、迷い歩きをするのが好きだというようなことをおっしゃってたと思うんですが、会社を辞められてからまた時間の過ごし方も変わってきたと思うんですけれども、またこれからも迷い歩きというようなことは続けられるつもりでしょうか。 滝口:昔やってただけで、そんなにずっとやり続けてるわけではないので。ただ歩くことはすごい好きだし、小説を書く前段階とか、書いている途中に、今書いているものを考え直したり、止まってるものを進めたりする方法として、僕の場合は歩くっていう行為が結構なんか、それを進めてくれることが多いし、多いので、迷ったりはそんなにしないかもしれないですけど、歩くことは好きだし続けていきたいと思ってます。 朝日新聞:どれくらい今、歩かれてますか。作品を前に悩んでるときとかっていうのは、どういう、どれくらいの距離を歩いたりするんですか。 滝口:全然まちまちで、その日その日によって違うんですけど、2時間ぐらいなら結構平気で歩きますね。あんまり短いと、考えが進んできたときに終わりになってしまうので、長めが良くて。天気とかが良ければもっと長くても大丈夫です。 朝日新聞:ありがとうございます。 司会:よろしいですか。続いてご質問の方。じゃあ、この前の方。眼鏡の方です。 中日新聞:中日新聞のオカムラと申します。非常に落ち着かれてカジュアルな感じなんですけれども、今回は受賞は自信があったんでしょうか。 滝口:いや、そんなに自信も不安も何もなく、割とフラットに。前回もそうだったんですけど、候補になったときのほうが、おおっていうのはあって、あとは選考なので、あまり自分が何かしたりしてどうなるとかではないし、もう書き終わったものなので。あんまり、割と自分でも、意外とあわあわしないで待てたし、結果も聞けたかなというふうに思ってます。 ちょっと今、でも、あれになってきてますけど。この会見とか。はい。 中日新聞:ありがとうございました。