『明日カノ』作者、新連載はリアル路線からの脱却 情報収集はSNS…女性の悩み描く理由
発行部数が累計で650万部以上を超えてドラマ化もされるなど、多くの支持を集めた『明日、私は誰かのカノジョ』(小学館)。デビュー作にして“代表作”とも呼べるヒット作を生み出した漫画家・をのひなお氏が、「サイコミ」で新連載『パーフェクト グリッター』を11月15日よりスタートさせた。ORICON NEWSでは、をの氏にインタビューを実施し、新連載のきっかけや2作目を送り出す心境、『明日カノ』支持の要因、女性の悩みやコンプレックスを描き続ける理由、新作への想いなどを聞いた。(取材・文:遠藤政樹/編集:櫻井偉明) 【画像】どんな漫画?女性2人の悩み描く 新連載『パーフェクト グリッター』第1話の数ページ ■ヒットしたデビュー作後の新作 不安だらけで「もうプレッシャーしかない」 『パーフェクト グリッター』は、をの氏が新境地に挑むガールズサスペンス。郊外の実家に住み、日々SNSに写真をあげては少ない“いいね”を糧に暮らす友達のいない桃子(モモ)が、ある日、憧れのインフルエンサー・イチカからDMをもらって会うことに。思いもよらない出来事に有頂天になるモモだったが……というストーリー。 大ヒットを記録した『明日カノ』から約1年。新連載までの期間について、をの氏は「早いですか?むしろ休みすぎて、このままだと人間ダメになると思った」と笑う。 「ちょこちょこ仕事はしていましたけど、週刊連載のペースに比べたら毎日何もしてないようなもの。毎日寝て起きて寝て起きての繰り返しで、何か地獄のような感じでした(笑)」。 そんな“早すぎる”リスタートを本人は、「前作の連載中は一刻も早く長期休みが欲しいと思っていたけど、いざ休みになって遊ぶぞとなったら1、2週間ぐらいで終わってしまった。連載中は死ぬほどつらいと感じていたけど、改めてどっちがいいかと聞かれると連載をやっていた方がいいかな。でも連載が始まったら休みたいとなると思います(笑)。ないものねだりですね」と語る。 デビュー作『明日カノ』が反響を呼んだが、新連載を始めるにあたって「もうプレッシャーしかない。本当もうプレッシャーしかないですね」と率直な心境を口にする。 「前作の連載中はコンスタントに読者さんの反応をもらえていました。今は誰の反応もないまま黙々と描く作業が続いていて、『これで合っているのか』『これでいいのか』といった読者さんの肌感もわからないまま描いている状況です。不安だけが募っていく感覚です」。