被災者癒やす黄葉 氷見・上日寺の大イチョウ
氷見市朝日本町の真言宗上日寺(じょうにちじ)で国天然記念物の大イチョウが黄色く色づき始めた。能登半島地震で多数の仏像や墓石が被害に遭ったが、シンボルの大イチョウは無事だった。市民だけでなく甚大な被害を受けた能登の被災者も訪れており、巨木の彩りに心を和ませている。 石川県能登町の山松義徳さん(67)は被災した自宅を公費解体し、みなし仮設住宅で生活している。町社会福祉協議会の旅行で訪れ「イチョウの美しさに秋を感じ、震災を少し忘れることができた」と話した。 大イチョウは樹齢が千年超とされ、高さ24メートル、幹回り12メートルで雌株としては全国最大級を誇る。黄葉の色づきは来週中がピークとみられる。柳原龍成住職(62)は「今年はひどい目に遭ったが、人間の世は季節が巡るようにまた良い方向にきっと進む」と話した。