焼肉界のレジェンド「炭火焼肉 なかはら」店主がこよなく愛する和食の店4軒
美食家が通い詰める名店となっても、「経営難の店から始めたので、今でもそこに戻ってはいけないという怖さや緊張感は常にあります。お客様が召し上がる口元を見て、よし、今のでよし、と自分の舌と手を信じて、日々いい仕事をするだけです」と中原氏。
と同時に、若いスタッフに技術や経営を教え、「炭火焼肉 なかはら」出身なら間違いない、といわれる“職人”を育てることにも尽力する。世田谷経堂に店を構える「炭火焼肉 ふちおか」も「炭火焼肉 なかはら」から独立した職人が切り盛りする。「身につけた技術は、金銭面・精神面ともに見返りは十分にある。それを僕が実証しています」と中原氏は断言する。
プロフェッショナルな肉の職人が育つことでつながっていく「炭火焼肉 なかはら」の系譜は、焼肉業界をもっといいものに、憧れられる世界に変えていくに違いない。
炭火焼肉 なかはら
住所 : 東京都千代田区六番町4-3 GEMS市ヶ谷 9F TEL : 03-6261-2987
中原 健太郎氏のおすすめ4軒
中原氏が教えてくれたのは寿司、そば、天ぷらの4軒。長い付き合いの店が多く、各店の店主との親しさもうかがえる。家族やスタッフ、料理人仲間、大切なお客様を連れていく味な「行きつけ」とは?
ディナーのおすすめ①鮨処福丸
「10代後半の子どもが幼稚園の頃から通っています」とディナーの1軒目に挙げてくれたのは根津駅至近、不忍通り沿いにある「鮨処福丸」。多くの寿司職人を輩出した「高勢」(現在は閉店)出身の店主が営む店だ。
「お任せコースで提供する寿司店が多い昨今、好きなネタを何貫でいくらというような“町寿司”が楽しめるお店。僕は昭和の人間なので、寿司屋ってこうだよねというスタイルを、今も貫かれているところがいいですね」と中原氏。
「気さくな大将で、子どもたちが小さい頃は、何を何貫食べたいか紙に書いてごらんとおっしゃって。昔ながらの温かい雰囲気があります」
中原氏が注文するのは、黒板に記されているその時々のメニュー。「季節ものや光りもの、貝類、巻物、少しアレンジを加えたものなど各種そろって、値段も実に良心的です」