子どもの不登校は「見守る」だけでは解決しない! 再登校を希望するなら、親が取るべき行動
対応が遅れるほど登校しにくくなる
一般的に、子どもが学校に行かなくなってから時間が経(た)てば経つほど、再登校へのハードルは高くなります。 学校に行かない期間が長ければ、それだけ学習にも遅れが出ますし、「みんなどんな反応をするんだろう」「友だちにどう話しかけたらいいんだろう」など不安が強まります。当たり前ですよね。学習面でも心理面でもハードルは高くなっていくのです。 また、生活習慣の乱れやデジタル依存は長期化するほど、元に戻すのには苦労が伴います。 再登校を希望するのであれば、本来は早めに対応したほうがいいのです。「見守る」だけでは不登校期間が長くなり、再登校が難しくなってしまいます。 それに、子どもの頃の1日はとても貴重な時間だと思いませんか。大切な1日1日を、家でゲームやスマホをするだけに費やしてしまうのはもったいないことです。 ですから私たちは早めの対応をすすめています。 とはいえ、不登校期間が長い子は再登校できないというわけではありません。決してあきらめないでください。不登校期間が長くなるにつれて支援期間も長くなる傾向にはありますが、驚くほど早く再登校できたケースもあるのです。4年半ほど不登校だった子が、支援を開始して3週間以内に再登校できたケースもあります。 親御さんが希望と覚悟を持って行動すれば、必ず道はひらけます。
〈著者略歴〉小川涼太郎(おがわ・りょうたろう)
株式会社スダチ代表取締役 1994年3月26日生まれ、徳島県出身。関西大学経済学部卒業。2016年4月、新卒でアビームコンサルティングへ入社。1年目からプロジェクトリーダーに抜擢。2年目には新規部署の立ち上げメンバーを経験し、約2年間で0から50人規模のチームへと拡大。日常の業務の中から「教育が変われば人も変わり社会も変わる」ことに気づき、「教育へ人生を捧げたい」と強く思い、2019年5月に退職し、株式会社スダチを設立。不登校の子ども達に向けたボランティア活動を通して、多くの不登校の子ども達と関わる中で、「本当は学校に行きたいけど行けない、自分でも行けない理由が分からない」という“目的意識がない不登校”で悩んでいる子ども達や親御さんが多くいることを知る。その現状に危機感を感じて、「不登校で悩んでいる人たちを1人でも多く救いたい」という想いから、2020年4月、不登校支援事業開始。 2024年3月時点での再登校人数は850名を超え、平均再登校日数は18日。再登校率は90%を超える。本書が初の著書。