実は空港用消防車は電動化の利点が多い!? ローゼンバウアーが電動ARFF発売!
「RT」の開発で培った電動モビリティ技術を活用
同車の開発には、コンセプト段階から空港や消防の関係者が関わっている。日々の業務を純電動で行ないつつ、「0-80/hの加速が25秒以内」と「トップスピードが120km/h」という要件を達成した。放水ポンプも9000リットル/分というフル性能を電動で発揮する。 ユーザーの期待する要件を直接盛り込んだパンサー6×6エレクトリックは、したがって既存の「パンサー」に電動モビリティの優位性をもたらし、騒音と汚染物質の排出を最小に抑える車両になっているそうだ。 ローゼンバウアーが開発した電気駆動用のプラットフォームは、高電圧バッテリーにより現場まで2~3分で到着し、消火剤を放出し、帰ってくるまでに充分なエネルギーを供給する。 これらの性能は、ICAO(国際民間航空機関)やFAA(アメリカ連邦航空局)の要件に従ったものだ。プロトタイプによる初期試験では、このような走行を1度の充電で複数回行なう能力が示され、また80km/hまでの加速時間は20秒未満だった。優れた走行性能は4基の電動モーターによるものだ。 直流(急速充電)と交流(普通充電)の両方を利用でき、最大300kWでの充電に対応するため、短時間で次のオペレーションに備えることができる。また車両には「エネルギー・バックアップシステム」が搭載され、継続的な使用が保証されるという。 高性能ポンプは電動のほか、バックアップシステムとの組み合わせでも作動し、消火システム(ポンプ、泡消火剤、タレット)の性能は従来のパンサーと同じだ。 ローゼンバウアーは、「RT」の開発などを通じて電動モビリティに関する知見を蓄積してきた。特に空港用消防車では電動化の利点が多く、今後世界中の空港で電動ARFFが活躍するようになるとしている。