「輪島からボランティアに来てくれたから、必ず行こうと」 台風被災地から“恩返し”の炊き出し
2019年の台風19号で大きな被害を受けた長野市長沼地区で飲食店を営む夫婦が19日、石川県輪島市の避難所を訪れ、長沼に寄せられた全国からの支援への恩返しの気持ちを込めて炊き出しをしました。 キャベツたっぷりの焼きそばに、揚げたての鶏のから揚げ。キッチンカーが横付けされたのは、輪島市の避難所の一つ浦上公民館。避難している約70人に、温かい料理が提供されました。 避難している人: 「おいしい。大変ありがたいこと。感謝しています」
炊き出しを行ったのは、長野市長沼地区で飲食店を営む星野良和さんと百代さん夫婦。被災地支援に特別な思いがあります。 星野良和さん: 「長野の決壊の時も炊き出しをしていたんですけど、その時に石川・輪島からもボランティアさん来てくれていた。輪島には必ず来ようと思っていたので、その思いで来ました」
星野さん夫婦は、長野市信州新町で5人の子どもを抱えながら、ジンギスカンが入った焼きそばなどを販売するキッチンカーを営んでいました。 転機となったのは2019年10月の台風19号災害。千曲川の堤防が決壊し、住宅が濁流にのみ込まれる光景を見た2人は…。
星野良和さん(2021年当時): 「この人たちに温かいものを提供したい。少しでも力になれればとがむしゃらに頑張っていた」 以来、長野市長沼地区や豊野地区で炊き出しなどの支援を続けてきました。
2021年には、長沼地区にジンギスカンなどを供する店「もんも」をオープン。家族で長沼に移り、地域と共に復興に向けて歩む決断をしました。 百代さん(2021年当時): 「復興も含めて地域おこしや地域が発展していく力添えができればいい」 元日の地震による能登の被災状況に居ても立っても居られなくなった星野さん夫婦。
台風災害に駆け付けてくれた石川の人々への恩返しの思いも込め、先週、穴水町の避難所で炊き出しをしました。 炊き出しは今回が2回目で、店を共同経営する宮腰貴洋さんも一緒に調理しました。 宮腰貴洋さん: 「輪島の火災や家の倒壊が少しずつ状況が見えてきた時に、恩返しじゃないけど、少しでも力になれるように、『一緒に頑張ろうね』ってことで動きました」