【阪神】「4番のバッティングの差」失投を長打にできるかどうか...負け越した“伝統の一戦”を掛布雅之氏が振り返る 28日に始まる『交流戦』の注目ポイントも解説
現役時代の打撃不振時に長嶋茂雄氏から電話!?
―――掛布さんも現役時代に4番を打っていました。ただ、打撃不振に陥ったこともあったということですね? 「当然あります。全く打てないときがありました。とんでもなく野次られました」 ―――打撃不振に陥ったときはどうされましたか? 「それがね、よく話しているのですが、長嶋(茂雄)さんから電話がありました。家に電話がありまして、子機を持って話していたんですけど、『バットあるか?ちょっと振ってみろ』と。だから僕は子機を肩と耳の間に挟んで、振ったんですよ。何をやっているんだろうと思ったんですけど、電話越しに長嶋さんが『それだ、それでいいんだ』って言うんです。僕にはね、その声が“お前のベストスイングをすれば怖いものはないじゃないか”というふうに聞こえたんです。そう背中を押された一言で、僕は打点王とホームラン王の二冠王になりました。巨人の監督経験がある方が、阪神の4番に対して手を差し伸べてくれる。長嶋さんの気持ちの大きさといいますか、プロ野球は巨人が強いだけじゃ駄目なんだと、巨人と争ってファンの方に喜んでもらうプロ野球じゃないと駄目なんだというメッセージでもあると思いますね」
「大山の奮起が交流戦の成績を大きく左右するのでは」
―――掛布さんは5月26日の試合前に岡田監督へインタビューを行いました。その中で岡田監督は『クリーンアップは固定しないといけないんだけど…』ということも話されていましたね? 「3番にはまるバッターの状態が上がらないって言ってましたけども、ただもう交流戦に関しては、監督が言っているように1番から4番まで固定していくと思います。やっぱり1番2番が出塁しクリーンアップが返す形を作らないと交流戦5割も厳しくなると思いますので、このあたり大山の奮起というのは交流戦の成績を大きく左右するんじゃないですかね」 ―――どの選手も3番に入ったときに打てていないという話ですが、これはどうしてでしょうか? 「これはね、(4番の)大山の状態が悪いからです。後ろのバッターの状態が良ければ、前のバッターにボール球とか厳しいボールは投げられないんですよ。やっぱりストライクで攻めてきます。ストライクで攻めてくるリズムがあればそこそこ打ちにいけるんですが、後ろの4番が2割そこそこですから、3番に近本が入ると近本のマークがすごく厳しくなるんですよ。状態のいい近本も、後ろの大山の状態が悪いと抑えられてしまう。3番を生かすための4番の大山の野球というものが交流戦でもすごく大切になるということです。パ・リーグ首位のソフトバンクの打線というのは、侍ジャパンで2番を打っていた近藤選手が5番を打っているんですよね。近藤選手が5番を打つことによって、4番の山川選手は今ホームラン王ですね。4番が打つことによって、3番の柳田選手の打率は3割。それぐらい5番から4番、3番の繋がりがあるという。後ろのバッターが起点になるんですね」
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