【阪神】「4番のバッティングの差」失投を長打にできるかどうか...負け越した“伝統の一戦”を掛布雅之氏が振り返る 28日に始まる『交流戦』の注目ポイントも解説
2軍の佐藤選手は「自分ではい上がってこなきゃいけない」
―――また、現在2軍の佐藤選手について岡田監督は『打てなくても悔しがる姿とかを…』と、成績以外での振る舞い方も大事ということを述べていました。 「僕は、佐藤なくして連覇はないと思います。この無期限の2軍での調整というもので、佐藤自身が自分ではい上がってこなきゃいけないと思うんですよ。どろんこになってですね、汗をかいて、それでもう1回1軍に戻る。そういう姿勢を岡田監督に見せることが、連覇への大きな鍵になるんじゃないか」 ―――掛布さんがもし指導者だったら、佐藤選手にはどんな言葉をかけますか? 「どろんこにさせますね。頭を空っぽにさせてあげたい。何も考えずに白いボールだけを追いかけろと。白いボールだけ打てと。原点に戻してあげるための、体にある汗というもの全部出させてあげるくらい。徹底した素振り、バッティング練習ですね」 ―――チームは去年、フォアボールを500個近く選びましたが、岡田監督は阪神打線に対する他チームの攻め方が今年は全然違うという話もしていました。 「今年の他球団の攻め方というのは、3球をバッターに投げて1ボール2ストライクというカウントを作るような攻めのパターンでピッチングを組み立ててきますので、阪神のバッターが3球までで1回勝負しなきゃいけないんですよ。打ち損じをすることによって自分の首を絞めるんですね。3球目までの1球を仕留めるということが交流戦でも打線のポイントになると思いますので、ぜひ3球目までの勝負に注目してテレビを見ている方たちは阪神の野球を見ていただきたい」
強打のソフトバンク打線に阪神投手陣がどんなピッチングをするか
―――その交流戦が5月28日に始まります。交流戦の戦い方について岡田監督からは『一発長打で大量点を取りにくるパ・リーグ相手に、足を絡めて対抗する』という話がありました。 「パ・リーグはDHを採用していますから、バントをして1点を取って1点を守り切る野球のリズムじゃないんですよね。3点4点を取る野球をやるためには、バントは必要ないわけです。そのためのホームランに代わる阪神の武器は何かといえば、近本や中野の足ですよ、スピードですよね。それをフルに交流戦で生かして、3点4点を取りにいく野球。でもそのためには大山のバットが必要だろうと。そこに戻るんですよね」 ―――阪神は交流戦でDHをどうするでしょうか? 「監督にも『DHどうしますか?』と言ったら、『いないんよね』と、考えていました。渡邉、糸原らで考えると思いますけど、難しいですよ、DHは」 ―――交流戦で戦うパ・リーグ。今トップを独走しているのがソフトバンクです(2位と4.5ゲーム差・5月27日時点)。5番の近藤選手は打率.342で、現時点(5月27日時点)で首位打者です。 「この打率のバッターが5番にいれば、4番で勝負しないわけはない。4番(山川選手)はホームラン王です。3番(柳田選手)と勝負しなきゃいけないんだよね。この打線に対して、セ・リーグ最強の投手陣を持っている阪神がソフトバンクに対してどういうピッチングをするか、どういうゲームをするかっていうのは、交流戦明けのリーグ戦に戻ったときに、いろんなポイントになると思いますよ。ソフトバンクとの試合は福岡でやりますので、DHが採用されます。これはちょっと注目したい」
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