【年金の見通しは5年前より改善も】65歳以上無職夫婦、毎月約4万円の赤字が続く…シニア世帯の平均貯蓄額・1ヵ月の生活費はいくらか
政府が「貯蓄から投資へ」を推進する中で、今年1月から始まった新NISA(少額投資非課税制度)。 ◆【写真4枚】【一覧表】シニア世帯の平均貯蓄額・1ヵ月の生活費をグラフで今すぐ見る 投資初心者でも始めやすいことから、新NISAの口座開設数が急増しています。 しかし2024年7月末から8月初めにかけて株価が暴落しました。 普段はファイナンシャルアドバイザーとしてお金の相談に乗ることが多い筆者ですが、最近は「NISAを始めたが、このままでいいのか不安」という相談が増えました。 将来資金や老後資金のために貯蓄していたものが、目減りしてしまうと不安になるのは当然です。 資産運用を始める上で、リスクを正しく理解して向き合うことは、非常に重要になってきます。 本記事では、将来資金として65歳以上の平均いくら貯蓄しているのかを確認して、どれくらいの将来資金が必要なのか、どのような資産形成をすればいいか考えていきましょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
【年金世帯】65歳以上「無職夫婦世帯」の平均貯蓄額はいくら?
総務省統計局の資料によると、65歳以上で無職の夫婦世帯の平均貯蓄額は2504万円でした。 平均貯蓄額の推移は以下の通りです。 ●【2018年から2023年】平均貯蓄額の推移を一覧で確認 ・2018年:2233万円 ・2019年:2218万円 ・2020年:2292万円 ・2021年:2342万円 ・2022年:2359万円 ・2023年:2504万円 2018年から貯蓄額はゆるやかに増加傾向となっており、2023年には過去最高額である2500万円台となりました。 2019年に「老後2000万円問題」が大きな話題となったことから、老後に向けた貯蓄への意識が高まったのではないかとうかがえます。 最近では銀行への預貯金以外に、投資といった方法で貯蓄する人も増えていますが、保有資産の内訳はどのようになっているでしょうか。 ●65歳以上「無職夫婦世帯」の保有資産の内訳 合計:2504万円 ・有価証券:480万円 ・生命保険など:413万円 ・定期性預貯金:846万円 ・通貨性預貯金:754万円 ・金融機関外:11万円 有価証券が480万円となっており、前年と比較して80万円も増加しています。 通貨性預貯金は754万円と、前年よりも55万円増加している一方で、定期性預貯金は846万円で19万円減少しました。 NISAやiDeCoの認知率や利用率が高まってきたことを考慮すると、今後さらに預貯金から投資への動きは加速していくことが予想されます。 ここまでは無職世帯(年金世帯)の貯蓄額を紹介しましたが、次章では65歳以上の「勤労世帯も含む」世帯の貯蓄額についても見ていきましょう。