肝臓から脂肪を落とす「朝のみそ汁」有効な摂り方 医師が解説「やせない人は肝機能に問題あり」
そこで私がおすすめしているのが、朝にみそ汁を飲むことです。 具だくさんのみそ汁を毎朝1杯飲めば、不足しがちなタンパク質が補え、毎朝きちんと代謝スイッチが入るので、体のリズムも整ってやせやすくなります。 タンパク質は、肉、魚、卵、大豆、乳製品のどれか1つに偏らず、できるだけいろいろな組み合わせで摂るといいでしょう。朝であれば包丁を使わず調理できる豆腐や卵、魚介の缶詰などがおすすめ。それらのタンパク質食品に、野菜や海藻、きのこ類などをできる範囲で組み合わせてください。
大切なのは毎日継続すること。できるだけ無理をせず、ラクに続けられるマイ定番タンパク質を、冷蔵庫に常備しておきましょう。 ■腸が整うと、肝臓が元気になる 肝臓と腸に密接な関わりがあることをご存じでしょうか? 肝臓は、門脈という器官を通して腸とつながっています。そのため、腸内細菌の影響をダイレクトに受けることになります。 腸内環境が乱れて増えた悪玉菌が毒素を作り出すと、毒素は血流にのって肝臓に到達し、肝臓の解毒作用によって無毒化されます。毒素が増えれば増えるほど、肝臓は「解毒」に力を注がなくてはならないため、そのぶん「代謝」の働きは低下し、太りやすくなるというわけです。
肝臓に「解毒」という余計な仕事をさせず、「代謝」に専念してもらうためには、腸内環境を整えることが何より大切。 そのために必要なのが食物繊維です。食物繊維は善玉菌のエサとなり、悪玉菌を減らして善玉菌を増やしてくれます。また、便の量や硬さを調節して便通を促す働きもあります。 ■脂肪肝を予防・改善する働きも つまり、便通を促すことで、悪玉菌が増えるのを防いでくれるのです。 さらに、食物繊維は腸での糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を抑えて脂肪肝を予防・改善する働きもあります。
食物繊維には水溶性と不溶性があります。それぞれ異なる働きがあるので、どちらもバランスよく摂るといいでしょう。水溶性は、わかめやこんにゃく、いも類などに多く含まれ、不溶性は、穀類や大豆、ごぼうなどに多く含まれます。 いずれもみそ汁と相性のよい食材ばかりなので、その日の気分で具材を変えて楽しむことができます。
栗原 毅 :栗原クリニック東京・日本橋医院長