ポルシェ、新型マカンで描く未来 「女性と若い世代に乗ってほしい」
■スタイリッシュなフォルム エレガントさも
フォルムや細部の造形はよりエレガントさを増している。フロントグリルは開口部が小さめ。すっきりとしたフェンダーや窓枠のないサイドウインドー、ゆるやかなラインを描くルーフのデザインなどがスタイリッシュに映る。側面から見ればまさにポルシェのアイコンである「フライライン」そのもの。そして、後ろ姿はグラマラス。たたずまいは控えめ。全体の印象は柔らかく、これまでのマスキュラン(男性的)なマカンとはひと味もふた味も違って見える。 カラーリングにも新風が吹く。ワールドプレミアでお披露目したマカン4は、新型のために開発した新色「プロヴァンス」という淡い紫色に染められていた。今回のインテリアは同系色の薄紫色だったが、本来はステッチの糸の色に至るまで自分仕様にオーダーできるという。マカン製品ライン責任者 のイェルク・ケルナーさんは「車体に合わせてシートやフットマットにいたるまで素材や色を変え得るスペシャルオーダーがあります。顧客はさまざまなカスタマイズで自分だけの車を手に入れられる。これこそ、ポルシェが提供できる、自分だけのラグジュアリー体験なのです」 ひと目見た印象からすれば、新型マカンには近年人気を集める「ラグジュアリースポーツ時計」のような優美さ、スポーティーさが同居する。たしかにこの車、経営者層はともかく、ベースボールキャップをかぶった若者や、アクティブな女性にも似合いそうだ。 車の造形だけではない。新たな顧客層のアクセシビリティー(近づきやすさ)を向上させる仕掛けの一例も、このワールドプレミアに合わせて公表した。シンガポールオフィス近くに開業したライフスタイル提案型の施設「ポルシェスタジオ」がそれだ。カフェやグッズショップを併設し、店内にはビンテージカーを展示。ドライブシミュレーターも設置して、ポルシェを気軽に体感できる趣向の施設にした。ちなみに今回のイベントに合わせて、アジアのハブ空港であるシンガポール・チャンギ国際空港でもポルシェの展示イベントを開催した。