家庭栽培で人気のイチジク。プロが教える収穫の見極め方とタイミング【趣味の園芸11月号こぼれ話・前編】
生育が旺盛で育てやすく、短期間で収穫できるイチジクは、家庭向きのおすすめ果樹。『趣味の園芸』2024年11月号では、果樹栽培のプロフェッショナル・大森直樹さんに、イチジクの基本の栽培方法から、もっとおいしく育てるプロの技まで、詳しく教えていただきました。 ウェブだけで読めるこの「こぼれ話」では、誌面に入りきらなかったイチジク栽培の最後のポイント〈収穫のコツ〉について紹介します。ぜひ参考にして、おいしいイチジクをご自宅で味わってください。 みんなのイチジク栽培の写真
イチジクの収穫は、3つのポイントで判断
編集部(以下、編):本誌では、収穫について伺えませんでした。収穫のタイミングややり方など、ぜひ教えてください。 大森直樹(以下、大):まず大事なのは、完熟するまできちんと待つことです。果実が熟しているかどうか、以下の3つのポイントで判断します。 ①果実のたれ具合 未熟なうちは上向きのものが多いです。熟すにつれて果実が下向きになっていきます。 ②果皮の色づき方 イチジクには果皮の色や模様がさまざまな品種があり、多くは緑色から徐々に色や模様がはっきりしていきます。70~100%色づいたら完熟~適熟、50~70%はやや未熟、50%以下は未熟です。 ③果実の硬さ 果実を触ってみて、耳たぶを軽くつまんだような感触なら完熟です。ゴムのように弾力がある感触なら、まだ未熟でしょう。 編:たしかに、熟したイチジクは下向きにたれているイメージがあります。「3つのポイントで判断」ということは、どれか1つを満たしているだけではダメということでしょうか。
大:品種によっては、1つの条件では判断が難しい場合があります。例えば、'ロング・ドクート'という品種は、未熟なうちから果実が下を向いています。 ほかには、未熟果でも色づく'カリフォルニア・ブラック'という品種も。色づいているだけではまだダメで、収穫は果実が下向きになるのを待たなければなりません。 編:なるほど! 品種によってもさまざまなのですね。