菊次郎の功績学び交流 台湾派遣の中高生ら報告 龍郷町青少年ミュージカル
鹿児島県龍郷町の青少年ミュージカル「KIKUJIRO」の交流事業で、昨年12月24~28日に台湾宜蘭市などを訪問した出演メンバーらによる報告会が6日、同町役場であった。初代宜蘭庁長を務めた西郷菊次郎の足跡をたどって学んだことなどを共有。竹田泰典町長は「世界と交流できる人材に育ってほしい。経験を糧にいろいろなことに励んでいただけたら」と期待した。 龍郷町と宜蘭市は、西郷隆盛の息子で、龍郷生まれの菊次郎の縁で18年から友好関係にある。昨年9月には、菊次郎ゆかりの地である両市町とさつま町、熊本県菊池市が国際交流促進覚書書(MOU)を締結した。菊次郎の半生を題材としたミュージカルは主に町内の小中高校生が出演しており、今年度は第4期生40人が参加する。 交流事業は、両市町の関係構築や国際社会で活躍する人材の育成などを目的に初めて実施。中学3年生と高校1年生の9人を宜蘭市に派遣した。滞在中の通訳は、ミュージカル1期生で、現在、鹿児島大学の交換留学生として台湾で学んでいる要田ののかさんが担った。 派遣生徒らは陳美玲宜蘭市長を表敬訪問したほか、現地の高校生とも交流し仲を深めた。「宜蘭設治紀念館」や菊次郎が庁長時代に建設した堤防の記念碑「西郷庁憲徳政碑」なども訪れた。記念碑前ではミュージカルで踊る振り付けの一部を演じた。 報告会では、滞在中の様子を写真や映像で振り返った。生徒らに同行した碇山和宏教育長は「同じ龍郷出身の後輩たちが(菊次郎の)功績をたたえて、堤防でミュージカルの踊りをしたことが一番感動した。3月のミュージカルにも生かして」と激励。 生徒代表あいさつで村山遥さん(大島北高1年)は「経験を自分たちの財産にすることはもちろん、(ミュージカルの)メンバーにも伝え、3月公演ではこれまで以上の演技ができるよう頑張りたい」と意気込んだ。生徒らは「台湾の人の温かさに触れることができた」「宜蘭で菊次郎が過ごしていたことを感じることができた」など一人ずつ感想も述べた。第4期生のミュージカルは3月15、16日、龍郷町りゅうゆう館で上演される。
奄美の南海日日新聞