13歳の少年が伝説の古代兵器「死の光線」をつくるーー天才数学者への挑戦(カナダ)
伝説の古代兵器は実現したのか?カナダ・オンタリオ州ロンドンに住む当時12歳のブレンデン・セナーは、古代ギリシャの数学者アルキメデスの提唱した概念に夢中になっていた…と聞けば、驚く人も多いだろう。しかし、「その概念とは具体的にどのようなものであったか?」を知れば、納得できるはずだ。そのコンセプトとは、太陽のエネルギーを利用した『Death ray(死の光線)』だ。そしてセナーは、そのアルキメデスが記したそのアイデアに挑戦したいと考えたのだ。 【写真】古代アルキメデスの伝説に登場する兵器「死の光線」を作った13歳の少年
現在13歳になったセナーは、古代の装置を実現させる試みで、すでに複数のメダルを獲得している。カナダの科学雑誌『Canadian Science Fair Journal』に掲載された彼の論文によれば、彼は「アルキメデスの『死の光線』についての原理は確かに可能である」ということを示したのである。 熱線としても知られる「死の光線」使用されたことを証明する考古学的証拠はない。だが、かといって、必ずしもなかったことを意味するわけではない――セナーの説明によれば、古代の「死の光線」は一連の大きな凹面鏡でできており、太陽の光を一点に集中させるように配置され、1000フィート(304.8メートル)先までの標的に当たる可能性があったということだ。 セナーは、このコンセプトのミニチュア版を作った。 彼はヒートランプと4枚の凹面鏡を使い、それぞれが厚紙に印をつけるように調節した。これは2023年のMatthews Hall Annual Science Fairで発表され、彼は鏡を追加するにつれて目標地点の温度が上昇することを確認した。
彼のこの実験は、紀元前214年から212年にかけてのシュラクサイ包囲戦に関する歴史的記述にあるような、接近してきたローマ帝国の船に火をつけるのに役立ったとしている。そして、より大規模な装置であったとも彼は認識している。また、当時の装置は鏡か、あるいは高度に研磨された盾が使用されていた可能性もあると…。 「古代シュラクサイ(現シラクサ)での『死の光線』使用に関する歴史的記述は、信じられる範囲のものです。ですが、アルキメデスの『死の光線』に関する考古学的証拠は、古代の哲学者の書物に記されている以外には見つかっていないのです」とセナーは言う。