特価iPhoneは12月25日までが狙い目? ガイドライン改正後の実質負担額を試算してみた
iPhoneの大容量モデルやiPhone 16 Pro、端末購入サポートで安く買える?
特価販売の対象スマホはiPhone 15やiPhone 16の128GBモデルが多い。だが、スマホを使いこなしている人ならiPhoneの256GBなどの大容量モデルやiPhone 16 Proなどの上位モデルを安く購入したいだろう。 特価iPhoneが安い理由は前述の通り、MNP契約時の割引金額が最大の4万4000円に設定されている点にある。このため、iPhoneの256GBモデルやiPhone 16 Proなどの上位モデルをお得に入手したい場合、“店頭でMNP契約と一緒に購入した場合の割引金額を聞く”のが最短の方法といえる。もし店頭に在庫があり、4万4000円に近い割引で購入できたらラッキー、と考えていいだろう。
12月26日に改正した販売ガイドライン改正、特価iPhoneはどうなる?
ここまでの解説は12月25日までの話だ。先述の通り、12月26日以降は改正後の「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」が施行される。それに伴い、特価iPhoneはもちろん、多くのスマホの実質価格が数万円ほど高くなる可能性がある。 この理由は、各キャリアが端末購入サポートで、24カ月目あたりにスマホを返却した場合の割引額について、新たな基準を求められるようになったためだ。新基準では中古スマホを取り扱う企業の業界団体である一般社団法人リユースモバイル・ジャパン(以下、RMJ)がWebサイトで公表する実際の買い取り平均額を根拠として、割引額を設定することが義務付けられる。 先ほどの特価iPhone 15 128GBの場合、端末購入サポートによる割引額は8万5592円だ。2年後にiPhone 15 128GBを買い取りに出した場合、残価率66%で買い取ってもらえる前提でこの割引額を出している。中古ショップの買い取り相場と比べると若干高め、もしくは新品に近い美品を想定した予想金額といえる。 では、12月26日以後の割引額はどう変化するのだろうか。総務省のガイドラインの内容と、公開されている買い取り平均額からおおまかに予想してみよう。 端末購入サポートの割引額は12月26日からRMJが公表する過去の平均買い取り価格のデータをもとに、過去の同型機種の発売時の価格と発売後の平均買い取り額の残価率を参考に決める。 下のグラフではRMJが公表する買い取り平均額からiPhone 12、iPhone 13、iPhone 14、iPhone 15の金額を取り出し、当初のメーカー直販価格に対する買い取り金額の割合の推移を示した。 なお、グラフではキャリアの販売価格ではなく、メーカー直販価格に対する買い取り価格の推移を採用している。総務省のガイドラインでは、2024年12月25日以前に発売された端末についてはメーカーの販売当初の直販価格を計算に用いる、という内容に合わせるためだ。 グラフを見ると、iPhone 12 128GBの24カ月後の買い取り価格は約60%になることが分かる。ただ、iPhone 12とiPhone 13は途中で急激な円安やiPhone 13の値上げといった環境の変化で残価率がやや上振れしている。実際には50~60%の間といった方が実態に近いだろう。 この結果をもとに、前半の特価iPhone 15 128GBの今後の価格を予想してみよう。残価率は総務省のガイドラインに記載されている“「端末の販売時点からnカ月目の残価率」を、「発売からnカ月目の買い取り平均額÷各電気通信事業者における販売当初の販売価格」”という内容から計算している。 ここでは、端末購入サポート(ドコモ:いつでもカエドキプログラム)の割引額を、先ほどのグラフをもとに、23カ月後のiPhone 15の残価率を60%にした場合と、55%、50%だった場合について計算した。 結果、どのパターンでも現状の特価iPhone 15の実売価格は数千円から2万円程度、値上がりする結果となった。実際には販売方式や残価率が異なる他、キャリアによっては異なる販売方法を模索する方法もあるため、必ずしもこの通りにはならない。だが、大きな動きがなければ当面の値上がりは避けられない、と考えていいはずだ。