スーパーラグビー参戦が決まった日本の抱える問題点
日本最強のドリームチームが2016年から世界最高峰のリーグ「スーパーラグビー」に新規参入することが正式決定した。それを受け日本ラグビー協会は21日、記者会見を開き、現段階での構想を明らかにした。 スーパーラグビーは南半球最高峰のリーグとされ、世界ランクの上位3傑を争うニュージーランド、南アフリカ、オーストラリアのトップクラブが、各国代表選手を軸に据えてしのぎを削っている。日本からは、パナソニックのスクラムハーフ田中史朗とフッカー堀江翔太が12年度から参戦。国内初のスーパーラグビープレーヤーの1号と2号として、話題を集めた。田中はニュージーランドのハイランダーズで同国代表スクラムハーフのアーロン・スミスと定位置を争い、堀江はオーストラリアのレベルズで列強国特有の激しい肉弾戦に身を投げている。 従来は「15」だったスーパーラグビーの参加チーム数が、2016年度から「18」に拡張するため、日本協会は8月、その1枠獲得へ立候補していた。シンガポール協会と両天秤にかけられた結果、ホームゲームの7、8試合のうち3試合をシンガポールで行うことを条件とし、今度の決定を勝ち取ったのである。なお日本は、南アフリカのチームなど5チームが加わるカンファレンスに入り、他のカンファレンスとのゲームを含めてシーズンで15試合をこなすこととなる。 参戦目的の1つは、自国開催となるワールドカップへ向けての代表チームの強化だ。ワールドラグビーによる世界ランキングの近い国同士がテストマッチ(国際的な真剣勝負)を組む傾向にあるのが楕円球界である。そんななかスーパーラグビーへ日本代表級のチームが入れば、従来とは違った形で国際経験を積めることとなる。矢部専務理事は、この舞台に、日本代表と、その候補、日本で活躍する外国人選手らによる40名程度のスコッドで挑みたいとしている。 参加期間は2016年から2020年度までの5シーズンで、矢部達三専務理事は「それが終わってからも(契約期間を)更新したい」と希望を述べている。