スーパーラグビー参戦が決まった日本の抱える問題点
日本人のプロ選手や外国人選手も、簡単に参戦できるとは限らないだろう。まず、家族がいるのは多くのプロ選手も同様だ。それに外国人選手が日本に来ているのは、そもそも治安の良さや安くないギャラに惹かれているとの側面は否定できないだろう。 会見の最後、こんな質問が飛んだ。 ――いま、決まっていないこと、話せないこと。いつ、クリアになりますか? 矢部専務理事は答えた。 「これから(運営のための)組織をつくっていくわけです。それはなるべく、数ヶ月のうちに。皆さんにお話できるようになるには、1年はかからないんじゃないかと思います」 ――もし、諸条件が整わぬ状態で「日本拠点のチーム入りを」とのオファーがあったら。プロ選手は2つ返事で受けるものですか。 妻子ある29歳の田中は語った。 「若かったら、決まっていない状態でも『やろう!』となるかもしれないけど、いまは、そういうものが決まっていないと迷ってしまうと思います」 日本ラグビー界にとって、競技力と認知度の向上に不可欠なスーパーラグビーへの参戦。ただ、その実現までにはいくつかのハードルがある。選手たちがプレーするまでの間、適切な経過観察が求められよう。 (文責・向風見也/ラグビーライター)