3軍制か、少数精鋭か? ソフトB、巨人が導入した3軍制の是非
「DCとして2年間、ファームの試合を見てきたが、2軍は、準一軍選手の調整の場所であり、若手の育成の場所でもあるので、マネジメントが難しい。若手にはチャンスを与えたいが、即1軍の戦力となる予備軍を上と同じようなシチュエーションで調整させなければならないし、こういう場面で投げさせおいて欲しいというような注文も上から来る。そうなると、どうしても若手の経験の場が減る。 ソフトバンクでは、2軍はそういう1軍の予備軍、3軍は徹底した育成を目的とした起用になっている。一芸に秀でているが欠点も多く、2軍でもなかなかチャンスをもらえないような選手を我慢して3軍で育てることができる。しかも、2、3軍の間にも競争意識が植え付けられている。 3軍を持つためには、年間3億円以上は、維持費がかかると聞くし、練習場所、合宿所、施設などの環境の整備に対する巨額な投資も必要。資金力のあるチームでしか、実現はむずかしいだろうが、それが理想だろう」とは、阪神の掛布雅之2軍監督の見方だ。 掛布2軍監督は、すでに坂井オーナーと、そういう意見を交換した。 一方、少数精鋭を徹底しているチームもある。北海道日ハムは育成選手をとらず、支配下登録選手も70人の枠を目いっぱいに使わず、2軍戦で若手に出場機会を積極的に与えている。 日ハムでは、それぞれの選手をどう育てるかの短期、長期ビジョンをフロントが軸になって作成。具体的に野手なら何試合、何打席、投手なら何試合、何イニングという出場予定を決めて、球団ぐるみで育成に乗り出すことで、1軍の予備軍として調整しなければならないという2軍の持つ葛藤を少し解消している。 また広島が20年以上前から導入した強化指定選手という制度を採用して育成に効果を見出しているチームもある。強化指定選手として、野手3、4人、投手3,4人を指名、その選手には、徹底して試合出場機会を与えるという一種のエリート育成システムで、ヤクルトのトリプルスリー山田哲人も、この強化指定選手で経験を重ねて成長、出てきた一人だ。