3軍制か、少数精鋭か? ソフトB、巨人が導入した3軍制の是非
レギュラーシーズンで90勝を挙げて優勝、日本シリーズでもヤクルトを圧倒したソフトバンク。強さの秘密のひとつとして3軍制の導入がクローズアップされた。巨人も来季からの3軍制導入に踏み切り、ドラフトではさっそく育成選手を8人指名した。阪神も3軍制導入についての議論をスタートするなど、3軍制が外国人などの外部補強に頼らないチーム強化のシステムとして注目を集め始めている。 だがその一方、育成契約選手を作らず、少数精鋭を徹底している北海道日ハムや、独自のファームでの強化指定選手制度でトリプルスリー、山田哲人を生み出したヤクルトなど3軍制に相反する取り組みもある。 3軍制か? 少数精鋭か? どちらのシステムが成功するのだろうか。 ソフトバンクの3軍制は2011年から始まった。主に育成選手と、1、2年目の新人選手で形成、これまで新人時代のトリプルスリー、柳田悠岐やエース格となった武田翔太、シリーズで秘密兵器となった千賀滉大らは、3軍から経験を積み、育成選手契約からは、二保旭、飯田優也らが支配下登録されて1軍の戦力となった。指導者も、巡回コーチを含めると9人も揃え(来季は7人)、今季は70人枠の支配下登録選手に加えて20人の育成選手を抱え、支配下選手を含めた約30人ほどの3軍が、1独立リーグの四国アイランドリーグplus、ルートインBCリーグ、大学、社会人、韓国のプロチームらと、年間、約80試合を消化する。 深刻な故障を抱えた選手も3軍でリハビリを行い、リハビリ担当コーチもいる。しかも来季からは、2、3軍は、本拠地を福岡県筑後市に総工費約60億円をかけて作った「HAWKS ベースボールパーク筑後」に移転。ヤクオクドームと同じ大きさがあるメーン球場とサブ球場には、それぞれナイターが付き、屋内練習場、クラブハウス、選手寮が完備された。 巨人もソフトバンクに習い、25人から30人で3軍を組織。独立リーグや大学、社会人、奇数チーム数のイースタンリーグの空いたチームなどと年間90試合を予定しているという。また、広島も3軍制を採用しているが、こちらは3軍としての試合は行わずに主に故障者のリハビリと、まだ2軍出場するまでの基礎体力のない選手の強化が目的だ。