母の介護、脳動脈瘤手術…40代~50代のハードな日々を乗り越えた今【戸田恵子さんインタビュー】
というわけで当座の心配はなくなり、今現在、体のためにしているのは睡眠時間を確保すること。 「寝ていないと、体力も気力も記憶力も何もかも落ちますから、6時間から7時間は寝たいです。忙しいときはなおさら、とにかく寝なくちゃって、枕はオーダーメイド、ベッドも数年前に良いものを選びました。でも眠るために薬を飲むとか、そういうことはしていません。 あ、それに、あきらめることを覚えました。やらなきゃいけないことがあっても、その日のうちに頑張ろうとは思わなくなりました。前は夜中の2時、3時までやることで自分を納得させていたけれど、大して意味ないなと気がついて。 ちゃんと寝て、次の日元気でいたほうが、どれだけ素晴らしいことか!(笑)」 3月、4月のミュージカル『20世紀号に乗って』の後は、5月から7月まで一人で歌って語って芝居する、『虹のかけら ~もうひとりのジュディ』に突入する。 「カーネギーホールの小ホールでも、公演するんです! カーネギーの楽屋口には、ジュディ・ガーランドの写真が飾ってあるんですよ。縁のあるそんな場所でやれるということは、長く生きているご褒美というか、おまけというか。 今の若い方はご存じないかもしれないけど、ジュディ・ガーランドはあの『オズの魔法使い』の主演女優で、あのライザ・ミネリの母親で、とにかくすごい人なんです。で、今回私が演じるのはジュディ本人ではなく、付き人のジュディ。もうひとりのジュディの視点からジュディ・ガーランドを見ているという物語です。もちろんジュディ・ガーランドの歌は、私が歌うんですけど」 戸田さんの生誕60周年記念作品として三谷幸喜さんが書き下ろしたこの舞台、2018年に初演、19年にも再演して、大きな話題を集めた。 そしてコロナ前に計画されていたものの中止になっていたニューヨーク公演が、今回、カーネギー・ワイル・リサイタルホールで実現の運びに。 「すごく楽しみですけど、唯一の心配はやっぱり、私の体力がもつのかなって(笑)。自分を信じて精進するしかないですよね。 ですから去年の12月から禁酒状態に入ってます。別にそんな大酒飲みではありませんけど、やったほうがカッコいいかなって(笑)。少し早かったと後悔もありつつ?はい、頑張ります!」