「10G回線」ってどれくらい速いの?自宅にも導入するべきでしょうか?【Wifiの専門家が解説】
最近見かけるようになった「10G回線」。導入に至っている人はまだ少ないのではないでしょうか? 【図解】Wi-Fi速度が遅くなる! ルーターを置いてはいけない場所3選 そんな「10G回線」について、LAN/無線LANの専門家で「All About」ガイドの岡田庄司が解説します。 (今回の質問) 10G回線って速いの? 導入するメリットは? (回答) 規格上は速いですが、体感できるメリットは限られます。また、利用できるエリアとそうでないエリアがありますし、用意する機材も高価です。 どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
◆「10G回線」は速い?
通常よく使われている回線は、光の1G回線。10G回線はその10倍の速度となります。とはいっても、実際の速度は最高で8Gbps程度です。筆者の環境で実際に計測してみると、下図のように8.274Gbpsが出ています。 ただし、回線の速度は、利用しているプロバイダや計測サイトや時間帯によって大幅に異なります。したがって契約する際は、近隣の利用者や、もしいなければ、Web上の生の情報を慎重に吟味する必要があります。
◆10G回線のスピードを活用するには難しい?
上に述べたように、確かに10G回線は速いですが、ブラウザでWebページを閲覧したりYouTubeで高精細な動画を視聴するといったレベルであれば、その違いを体感できるとは言えません。 例えば、筆者の環境では、1G契約でも800~900Mbpsほどの速度だったので、Webページの閲覧もYouTubeの高精細動画も快適に視聴できおり、何気なくネットを使用するだけであれば、そこまで違いは感じられませんでした。回線スピードを計測してみると、その差を感じることはできましたが、実際に10G回線を十分に活用するのはまだ難しいように感じます。 というのも、大方の作業を行うインターネット網の速度が、まだ10Gといった高速回線に対応していないからです。ただ、高速なバックボーンを持つ、リアルタイムゲームなどでは、コンマ何秒といった違いが勝敗を分けるので、10Gの恩恵を受けることができることもあるでしょう。 また、現在契約しているプロバイダの速度が遅く、1G契約でも200~300bps程度しか出ない場合は、10Gに変更して1G以上の速度を利用するということも考えられます。ただし、集合住宅の場合、そもそも10G回線にできない場合や、もし回線を変更できても効果が期待できない場合もあるので、プロバイダの説明をよく聞いてから、契約するようにしてください。