相次ぐ「撮り鉄」トラブル、名誉挽回に心がけるべきマナーは? 危険行為は絶対やめて、あいさつと思いやりで良い思い出に 「鉄道なにコレ!?」【第46回】
以前、撮影地に撮り鉄が大勢集まって激しいパニック状態になっていることを指す「激パ」という言葉が使われていることも、そのような場面で出会った若者に教えてもらった。 「カブらないといいですね」という会話がなされることも多い。「カブる」とはターゲットの列車が来たタイミングで、別の列車が手前の線路を走って遮られてしまうといった状況を指す。 ▽走る列車へのフラッシュ発光は厳禁 鉄道会社や鉄道警察隊の関係者は「特に鉄道ファンに人気がありそうな列車が走る時には、安全確保のため事前に警備態勢を決めるなどの準備をしている」と説明する。撮影者が迷惑をかけないように配慮すべき点について、JR四国はホームページに「撮影マナーに関わるご協力のお願いについて」として下記の点を列挙している。(表現を一部変更) ・走行中の列車に向けてのスピードライト(カメラのフラッシュ)発光や、列車に接近するなどの行為は列車の安全運行を支障しますので、絶対におやめください
・列車をご利用されるほかのお客様が写りこんでしまうと、トラブルのもとになりますので、ご遠慮ください。 ・アングルや構図を優先するあまり、私有地や危険な場所、線路内へ立ち入るなどの行為はおやめください。 ・ゴミがでることを想定してゴミ袋を用意するなど、公共の場所や私有地へのゴミのポイすてはおやめください。 ・ホームでの三脚や脚立のご使用は、倒れたり足を取られたりするなどケガや事故につながる恐れがありますので、おやめください。 ・撮影ポイントの場所取りや、過度な権利主張をするなどの行為はトラブルのもとになりますのでおやめください。 駅のホームでの撮影では、危険回避のために黄色い線の内側に下がるのも当然だ。ある鉄道関連掲示板の運営者は「黄色い線を飛び越えていた撮影者がいたため、顔が分からないように後ろ姿を撮って掲示板で注意を呼びかけた。するとその後、執拗に嫌がらせの書き込みを受けた」と苦い体験を振り返る。
撮影場所で気持ちよくあいさつし、マナーを順守してシャッターを切り、帰路に就く時には周囲にごみがないかを確認する。そのような状況下で撮った写真を後日眺め、良い思い出が一緒によみがえってくれば一石二鳥ではないだろうか。 ※「鉄道なにコレ!?」とは:鉄道と旅行が好きで、鉄道コラム「汐留鉄道倶楽部」の執筆者でもある筆者が、鉄道に関して「なにコレ!?」と驚いた体験や、意外に思われそうな話題をご紹介する連載。2019年8月に始まり、ほぼ月に1回お届けしています。ぜひご愛読ください!