相次ぐ「撮り鉄」トラブル、名誉挽回に心がけるべきマナーは? 危険行為は絶対やめて、あいさつと思いやりで良い思い出に 「鉄道なにコレ!?」【第46回】
また、写真の下部には、鉄道信号を作動させる継電器(リレー)が入った「リレーボックス」(継電器箱)の上部が写り込んでいる。背景に陸橋があるため、圧迫感がある構図だ。 ▽良い雰囲気で撮影する心がけは…まずはあいさつ このように「駅撮り」では、満足のいく写真を撮ることができないこともあるため、走るのが珍しい列車、引退を控えた車両などをファインダーに収める際には列車全体を撮ることができたり、バックの風景が美しかったりするスポットに撮り鉄が集まりがちだ。マナーを守り、良い雰囲気で撮影できるための留意点を、撮り鉄の達人たちに聞いた内容を交えて紹介したい。 他の撮影者に合流する際には「あいさつをし、自分が他の人の邪魔になってしまわないかを確認するのは常識だ」と撮り鉄歴が56年になる鉄道愛好家団体「長崎きしゃ倶楽部」の吉村元志代表世話人(66)=長崎市=は力説する。複数の撮影者がいる地点では「先に着いた人たちが優先されるので、その人たちの邪魔をしないように気を付けることが大切だ」とくぎを刺す。
撮り鉄歴50年以上の大阪市在住の男性会社員(60)も「撮影場所に着いた時はまずあいさつをし、安全で適切な撮影ポジションを確認し、撮る場所を確保している」と打ち明ける。 筆者にはこんな経験がある。JR東日本烏山線でディーゼル車両「キハ40形」が運行最終日を迎えた2017年3月3日、栃木県那須烏山市の沿線を訪れて撮影に向きそうな踏切脇の場所を見つけた。そこに地元在住とおぼしき男性がいたためあいさつし、「ここで撮影してもいいですか?」と尋ねた。 すると、「うちの敷地まで入ってきていいよ」と隣接した私有地内での撮影を許可してくれた。他の撮影者も交えて列車が来るまで談笑し、楽しいひとときを過ごすことができた。 ▽運行情報は快くシェアする思いやりを 列車撮影のために集まった人たちはターゲットの列車が遅れているとか、どの駅を通過したとかいった情報は皆関心を持っているため「情報が分かった際には快くシェアする思いやりが重要だ」と筆者は心得ている。鉄道関連の掲示板や交流サイト(SNS)でのやりとりだけでなく、その場に集まった人同士での情報交換も生まれたり、会話をしたりするきっかけになる。