「ズルい!」「カッコ悪い!」という声も!? 何かとイメージが良くない“チッパー”をオススメするワケとは?
より安定したランニングアプローチを実現しやすくなる
100切りや90切りを目標とするアベレージゴルファーにとって、カギとなるのはティーショットとアプローチの安定感になるでしょう。とくにグリーン周りのアプローチは、ミスがそのままスコアに響いてしまうので、トップやザックリといった大きなミスは防ぎたいところです。 【写真】パターでもウェッジでもチッパーでもないクラブ!? アプローチ専用「ターフライダーパターサンド55」の詳細画像
そのため、グリーン周りはウェッジではなく、できる限りパターを選択しているという人も少なくないはずです。大きなミスのリスクが少ないパターは、より安全に寄せることができる、堅実な選択といえるでしょう。 とはいえ、イメージよりもラフに食われてショートしたり、その反対にオーバーしたりというケースは多くあります。ライの状況に左右されやすいので、距離感をつかみにくいという側面があるのです。 そこで浮上してくるのが、ウェッジでもなくパターでもない第三の選択肢、チッパーです。 チッパーとは、転がして寄せるチップショットに特化した、ウェッジとパターの中間的なクラブのこと。パターと同じような感覚で打つだけで、ボールがちょっと上がってラフを越え、あとは転がって寄っていってくれるので、グリーン周りのアプローチが非常にシンプルになります。ライの状況にも影響されにくく、ミスへの寛容度が高いため、より安定感のあるアプローチを実現しやすくなります。 その一方、反則級のやさしさや異質な形状ゆえに、「ズルい!」「インチキ!」「カッコ悪い!」といった“口撃”をしてくる人もまれにいます。では、チッパーを実際のラウンドで使うのは、ズルいことなのでしょうか。
スコアをまとめやすいクラブでそろえることが最大の目的
結論からいえば、ゴルフルールに適合した設計のチッパーであれば、月例などの競技で使用することも可能で、まったくもってズルくありません。プロで使用している人はほとんどいませんが、女子プロが試合で使って好成績につなげた例もあります。 上限14本と定められているクラブセッティングは、人それぞれがもっともスコアをまとめやすいクラブでそろえることが前提であり、最大の目的です。グリーン周りのアプローチに苦手意識があるのなら、チッパーを14本のうちの1本に加えるのも悪くない選択です。 たとえ “口撃”をしてくる人がいても、その声に耳を貸す必要はありません。その人がうらやむぐらいに、バシバシ寄せてしまいましょう。 アプローチの悩みを一気に解決してくれるチッパーですが、もちろんメリットだけではなく、デメリットもあります。 その一つは、使えるシチュエーションがかなり限られること。転がすアプローチに特化した設計のため、バンカーや深いラフから打つショットには不向きです。状況に応じたフェースの開閉やロブショットといったさまざまな球筋を打ち分けできるウェッジとは、この点で大きな違いがあります。 チッパーには、形状や設計の違いによって「パター型」と「ウェッジ型」があるので、構えた時のフィーリングや「パターとウェッジのどっちが得意か」というのを基準に選ぶといいかもしれません。 最近ではチッパーとは呼ばず、形状もスマートな“ランニングウェッジ”なども登場しています。「やっぱり少しカッコ悪いかも…」という思いが消えない人は、ゴルフバッグに入っていても違和感のない、こちらのタイプを検討してみるといいかもしれません。
ピーコックブルー