【闘病】貧血と思っていた動悸・息切れはまさかの脳梗塞。「”忙しい”を理由に受診しなかった」後悔のわけ
今もなお残る左手の麻痺
編集部: 発症後の経過についても教えてください。 さくらさん: 脳梗塞で入院した翌月からは、リハビリ病院へ転院して4カ月間入院生活を送りました。退院してからは2カ月に1度受診をしていて、受診中に重度の貧血は子宮筋腫が原因だったことが判明しました。子宮筋腫の摘出も行い、現在は3カ月に1度通院しています。 編集部: 貧血症状はそれほどひどかったのですか。 さくらさん: 少し歩くだけでも動悸と息切れがあり、職場や自宅の階段を少しのぼるだけで息切れがひどかったです。貧血を改善する目的でフェロミア(鉄剤)を内服していましたが、全く効果がありませんでした。 編集部: 現在の体調は安定していますか。 さくらさん: 左側の手足に麻痺が残っていますが、比較的安定しています。子宮筋腫を摘出した後は、鉄剤を飲まなくても貧血は改善したものの、依然として正常値よりヘモグロビン値が低く貧血状態に変わりありません。 仕事は看護師をしているのですが、夜勤が少なく採血業務などのハードな業務ではないデスクワークに切り替えてもらいました。 編集部: 自宅ではどのようなリハビリを行っていますか。 さくらさん: 歩行訓練や、太もも上げのような簡単な体操、左手の握力を回復させるための運動を行っています。日頃から麻痺のある左手を意識的に使って、ボールを握るなど少しでも動かしやすくなるように訓練しています。 編集部: 発症当初から現在まで、どのくらい回復されましたか? さくらさん: 脳梗塞の急性期治療が終わった時点では、車椅子での移動しかできないレベルでした。その後リハビリ病院に4カ月間入院してからは、杖で屋外を歩ける状態まで回復しました。
病気に年齢は関係ない。少しでもいつもと違う場合はすぐに受診してほしい
編集部: 治療中に心の支えになったもの、または忘れられないエピソードはありますか? さくらさん: 心の支えになったのは家族や子どもの存在です。忘れられないエピソードは、病気になる前までは疎遠だった兄が入院中毎日応援のメールをくれたことです。 兄は理学療法士をしているので、患者さんの大変さをわかっていたからこそ私のことを励ましてくれました。家族と子どもの存在は、本当に自分にとっての支えになったと思います。 編集部: もし脳梗塞発症前の自分に声を掛けられるなら何を伝えたいですか? さくらさん: とにかく異変を感じたら早く受診してほしいです。当時は夜勤ありの正社員で働きながら、アルバイトでも夜勤をしていたのでかなり無理をしていました。仕事の忙しさを理由に受診もしていなかったので、あの時の自分には早く受診してほしいと思いました。 編集部: 最後に、この記事の読者や医療従事者の方に伝えたいメッセージをお願いします。 さくらさん: 病気に年齢は関係ありません。少しでも「いつもと違うな」「なんかおかしいな」と感じたら、早く受診することが大切です。医療従事者の方は忙しいことも理解していますが、患者さんにもっと寄り添って話を聴いてほしいと思います。