名古屋銘菓「鯱もなか」が消える!?廃業寸前の老舗和菓子屋が奇跡の復活を遂げたワケ
仕様が工夫できるのも、使い勝手が良い点のひとつ。リッチメニュー(LINEの画面下にリンクなどが貼れるボタン型のメニュー)が配置できるので、公式ホームページやECサイト、ほかのSNSを訪れてもらうための強い導線になります。 大須の本店を訪れると購入金額に応じてスタンプを獲得できる「スタンプカード」や、LINE友だち登録のお礼として選べるプレゼントなども用意しました。 また、チャットボット(自動応答機能)を設定することで、一方通行ではないコミュニケーションが図れる点もご好評をいただいています。 その他、取り扱い店舗情報や「鯱もなか」の歴史、メディア掲載情報、オリジナルグッズ販売ページにクーポンの発行など、日々いろいろな発信をしています。 このように、各SNSの特性を理解し、目的に応じてうまく活用しながら、公式サイトに誘導する入り口を増やしていきました。 ● 事前準備4 リピーターを増やす同梱物強化 ECサイトの構築と導入ができたら、次に行うべきことはリピーターの獲得です。「鯱もなか」が駅や空港、名古屋城などの売店に販路があるのは、古くからのお取引先の皆様のおかげです。この状態で事業を引き継げたことを先代に感謝しなくてはなりません。 一方で、直売ではないため、利益率が低くなってしまうのが難点と言えます。できるだけ多くの商品を売ることで利益が得られますが、そのためには製造に関わる人員が必要ですし、在庫を切らさないように毎日製造して納品しなくてはいけません。ここがまさに、先代が苦しんでいた部分です。 いかにコストをかけずにリピーターを増やせるか。どうにかしてLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を上げられないものか。 考えあぐねた末に閃いたのが、商品に広告機能を持たせることでした。低利益の商品をただ売り続けるのではなく、一度「鯱もなか」を買ってくださったお客様に再び帰ってきてもらえるような仕掛けを施してはどうだろうか? 目を付けたのは、商品を梱包している箱の中に入れている商品紹介のしおりです。ここに、新しく作った公式サイトとLINE公式のQRコードを載せました。 どんなきっかけで「鯱もなか」を手に取ってもらえたのかわかりませんが、商品に添えられたしおりにQRコードがあることで、公式サイトを見てもらえる可能性が生まれます。 商品情報がしっかりと載っている公式サイトを見れば、「本店で売られている別のお菓子も食べてみたい!」「遠く離れた名古屋の味をもう一度楽しみたい」などとオンラインでお取り寄せをしてもらえるかもしれません。