ホンダや伊藤忠、対米輸出の関税に懸念示す トランプ氏優位で開票
Nobuhiro Kubo [東京 6日 ロイター] - トランプ氏優勢で米大統領選の投開票が進む中、6日に決算を発表した日本企業の経営陣からは対米輸出への関税に懸念を示す声が聞かれた。 ホンダの青山真二副社長はトランプ前大統領がメキシコからの輸入品に課税すると主張していることに触れ、「大きな影響がある。ロビー活動を含めて対応する」と語った。中長期的には米国内、あるいは関税対象外の国へ生産を移転する可能性にも言及した。 青山副社長によると、ホンダは年間20万台程度をメキシコで生産し、8割を米国へ輸出している。 電気自動車(EV)の普及ペースに影響が出る可能性については、長期的に乗用車のEV化が進むとの見方に変化はないとし、これまでの投資を続ける考えを示した。 伊藤忠商事の石井敬太社長は、トランプ氏が中国製品への関税を引き上げる方針を示していることに言及し、「中国製品が米国で遮断されるとアジアに逆流し、市況を乱すことになる。逆流の市況下落が気になる」と話した。 また、脱炭素関連事業に対するインフレ抑制法(IRA)の政府支援がどう変化するかも注視する必要があるとした。 JFEホールディングスの寺畑雅史副社長は、「自由で開かれた貿易や国際秩序の維持・強化を進めてほしいと強く思っている」として、「日米の政府間の連携で進めていってもらいたい」と述べた。 同社は、原料の購買の方が上回っており、円安は収益にマイナス影響となる。寺畑副社長は「為替が大きく動くと、想定し得ない悪影響を及ぼす。為替が不安定になることは懸念しているし、注視していかなければならない」とも指摘した。 トヨタ自動車の上田裕之・渉外広報本部長は、「結果出るのはまだ先で状況を注視している」と述べるにとどめた。 (久保信博、大林優香、白木真紀、清水律子 編集:青山敦子)