冬月(深澤辰哉)は生きている? モラハラ夫の「父親放棄宣言」がもたらすものは 『わたしの宝物』2話
ドラマ『わたしの宝物』(フジ系)は、夫以外の男性との間にできた子どもを、夫の子と偽り、産み育てる「托卵」を題材に描く。神崎美羽(松本若菜)と夫の宏樹(田中圭)は仲の良い夫婦だったが、結婚から5年が過ぎ、美羽は宏樹のモラハラに悩まされている。だが、幼なじみの冬月稜(深澤辰哉)と再会したことで、美羽の人生は大きく動くことになる。2話、自爆テロに巻き込まれ亡くなったはずの冬月が、生存しているかもしれない可能性が示唆された。 【イラストで見る】ドラマ『わたしの宝物』
冬月の生存を隠した莉紗の意図
学校をつくるためにアフリカに渡航した冬月が、自爆テロに巻き込まれて亡くなったニュースを知った美羽。何度も繰り返される報道を目にしながら、心のなかで「ホントにもう、会えないの?」とつぶやく。 冬月の子を宿している美羽。夫である宏樹とは離婚し、冬月が帰国したら一緒に暮らしていく決意を、密かに固めていたであろうタイミングでの訃報。雨に濡れて帰宅した美羽が、決死の表情で宏樹に「あなたの子よ」と告げたのは1話のラストだった。しかし、美羽は「一生嘘をつき続けることなんて、私にできる?」と不安を覚えてもいる。 SNS上では、冬月は亡くなっていないのでは、と生存の可能性について触れる意見も。1話ではニュースの画面に「フユツキ リョウ」と名前が表示されたのみで、遺体や葬儀の場面など、具体的に彼の死を裏付ける描写はなかった。 それに加えて2話終盤では、ギリギリのところで命をつなぎとめていた人物こそが冬月であると判明。医療施設のベッドに寝かされていた彼は、フェアトレードの会社でともに働いていた下原健太(持田将史)だと思われていた。しかし、実際は違ったのだ。 冬月と下原の同僚・水木莉紗(さとうほなみ)は、「患者の身元は下原健太さんでしょうか?」と現地の警察官に確認され、逡巡(しゅんじゅん)した末に同意する。なぜ、彼女は間接的に「冬月」の生存を隠すような言動をしたのか。それは、日本に大切な人がいて、その人と一緒になる、と穏やかに話していた彼の表情を思い出したからだろう。 莉紗は冬月に思いを寄せているようだ。目標と誇りを共有しながら、切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間だったのに、当の冬月はたまたま再会した幼なじみ=美羽と、再び心を通わせていた。 今の時点で、莉紗と美羽に面識はない。しかし、遠く離れた外国での緊急事態において、莉紗が冬月と「大切な人」の関係をおもんぱかる余裕が、どれだけあっただろう。彼女のとった行動は倫理的に許されないことだと思うが、夫に偽って“托卵”しようとしている美羽も、同じようなことをしているのかもしれない。