三度目の正直で重賞初制覇!7歳アラタと大野拓弥が見せた「新しい今までにない様」/福島記念
<福島記念>◇10日=福島◇G3◇芝2000メートル◇3歳上◇出走16頭 「新しい今までにない様」-。アラタ(牡7、和田勇)が馬名の通り、大野拓弥騎手(38)とともに過去2回の雪辱を果たす力強い走りで、三度目の正直をやってのけ、重賞ウイナーとしての晴れ姿を披露した。勝ち時計は2分0秒7。 1着に導いた鞍上も福島の重賞は初勝利。苦楽をともにした相棒と勝利の美酒を味わった。 ◇ ◇ ◇ 「アラタだ!」。最前列の観客が外から末脚を繰り出すアラタを見て叫んだ。過去2回(21、22年)は連続3着。末脚が届かなかった因縁のレースで、とうとう届いた。ぐんぐん突き進む姿はこれまでとは違う走り。最後まで力強く、1馬身差の余裕を持って、福島の重賞で待望のゴールテープを切った。鞍上の大野騎手も過去2回ともに悔しい思いをし、「三度目の正直じゃないですけどまた福島記念でチャンスをもらえて、今回結果を残せて良かった。馬が頑張った」とねぎらった。 和田勇師も喜びを隠せない。「1回目は相手が強く、2回目は運がなかった。3回目の今回で展開が向いてやっと」と力がこもった口調で答えた。力を出し切れば重賞でもやれる。7歳にして、それを証明した。今後は未定も師は「距離は長くなってもいいと思います」と話す。2000メートル以上の右回り。暮れにはグランプリ(有馬記念)があるが、そこに進むかどうかは分からない。。今はただ、晴れて重賞ウイナーとなったアラタの新しい姿がまぶしい。【舟元祐二】 ◆アラタ ▽父 キングカメハメハ▽母 サンシャイン(ハーツクライ)▽牡7▽馬主 村田能光氏▽調教師 和田勇介(美浦)▽生産者 社台ファーム▽戦績 26戦7勝▽総獲得賞金 2億729万3000円▽馬名の意味 新しい今までにない様 ◆ハンデ トップハンデ馬の勝利は22年ユニコーンライオン以来で、通算10勝目。57・5キロを背負って勝利したのは13年ダイワファルコン以来11年ぶりで、通算3勝目