三菱UFJ株主総会 子会社の3社の行政処分 亀沢社長「深くおわび」
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の定時株主総会が27日、東京都内で行われた。傘下の三菱UFJ銀行と証券2社の計3社が顧客企業の非公開情報を無断で共有するなどの法令違反が判明し、24日に金融庁から業務改善命令を受けた直後の開催となっただけに来場者数、ウェブ視聴者数とも昨年より大きく増え、株主の関心の高さが浮き彫りになった。 総会の冒頭、議長を務める三菱UFJFGの亀沢宏規社長は3社が行政処分を受けたことに関して「ご迷惑ご心配をおかけしていますことを深くおわび申し上げます」と陳謝。「信頼回復、再発防止に向けグループ一丸となって取り組む」と強調した。同社は、再発防止策などの策定を急ぐとともに報酬の減額など役員の処分も検討する。 株主からは「顧客軽視の姿勢があったのではないか」や「ガバナンス(企業統治)が十分だったのか」など厳しい声が上がった。「社長のリーダーシップや社外取締役は(企業の)風土をどう考えているのか」といった厳しい質問も出た。 神奈川県藤沢市から参加した男性株主(75)は「顧客から事前に了解を得ずに情報共有をするのはだめだ。二度とないようにしっかりやってほしい」と経営陣に注文を付けていた。 三菱UFJFGによると、総会の来場者は前年比約1・5倍の1120人、ウェブ視聴者も約1・6倍の2千人だった。