部下を褒めるのはNG? 慕われる上司ほど守っている「フィードバックの鉄則」
経験を重ねて質問をブラッシュアップ
1on1のコミュニケーションでは、どういう質問を出して、いかにメンバーの話を引き出せるかがポイントになります。 私自身は、本を読んだり、スクールへ通うなど、1on1について勉強をした上で、実際に1on1でどんな質問が適切かを試し、今のスタイルにたどり着きました。 気軽に何でも話をしやすくする、「今、気になってること、ある?」 メンバーの気持ちを盛り上げて、話を引き出す「いいねいいね、いっぱいあるね。やりがいあるね」 状態を可視化する、「今の状態は10点満点で何点?」 ただこの言葉を使いさせすれば、うまくいくとは限りません。同じ言葉、同じ質問をメンバーに投げかけるとしても、表情、声のトーン、言い回しの軽快さ、身ぶりや手ぶりなど、いろいろな要素を総動員してメンバーが話しやすい雰囲気をつくっていきます。 もしスピーディーに自分の1on1スタイルを確立させたいのであれば、1on1に関する本を、何冊も読んでみることです。私も1on1に関する本を、たくさん読みました。中でも、私に最もインパクトを与え、一番勉強になった本として、『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』(本間浩輔/ダイヤモンド社)をご紹介しておきましょう。 そして、実際に1on1で試しながら、メンバーがどんな反応を示すか、表情がどのように変わっていくのかなどをよく観察し、反応を確かめることを繰り返してみましょう。
本音を引き出し、モチベーションを上げる魔法のコトバ
・週ごとに目標をクリアしているメンバーへのフィードバックは? リーダーが感じたことを素直に、笑顔でフィードバックします。日本の企業ではとかく「目標は達成して当たり前」「いちいち言わなくてもわかるだろう」と考えがちですが、言葉にしなければ伝わりません。 「いいね」「すごく良かったよ」というシンプルな言葉で表現したり、「ありがとう」と感謝を言葉にしたりします。また、「○○さんが喜んでいたよ」「助かったよ」と実際に誰かの役に立ったということを伝えたり、「目標をクリアしたね、おめでとう」と賞賛することも、メンバーのモチベーションを上げてくれます。 特に目標を達成したタイミングでなくても、日頃から「字がきれいで読みやすいよ」「すごくいい質問をしてくれてありがとう」など、小さなこと、当たり前だと思われることでも、良いところを見つけたら、その場でフィードバックしましょう。