<親中国・ロシアから米国へ>アンゴラの〝転換〟「罰する」から「善行の引き出し」へ変わるグローバルサウス獲得の手法
1月27日付WP紙は、‘U.S. deepens ties with Angola, a model for Washington’s ties to Africa’(米国のアフリカとの絆の好例;アンゴラとの関係強化)との解説記事を掲載し、アンゴラと米国の関係改善を説明している。要旨は以下の通り。 産油国アンゴラは、長期間インフラを中国に、武器をロシアに頼ってきた。しかし、1月下旬のブリンケン国務長官の同国訪問と米国資金による鉄道プロジェクト始動は、同国の路線変更を意味する。 アンゴラは、2.5億ドルの鉄道プロジェクトを中国でなく米欧に頼った。アンゴラと米高官は、より幅広い経済ブームを期待している。 昨年アンゴラ外相はロシア外相に対し、ウクライナ戦争が第3次世界大戦を引き起こす懸念を公開の場で表明。長年の支援者(ロシア)にとっては厳しい言葉だった。 米アンゴラ関係改善はアンゴラのみならず米国に無視され地政学的対立の捨て駒にされてきたと感じている国々への経済協力のモデルでもある。ブリンケンの4日間のサブサハラ歴訪はガザ・ウクライナ紛争の最中に行われた。 米政府高官は中露との地政学的競争という見方を否定し、競争相手と無関係に米国はアフリカと同様な関係を築いただろうとして、中国との競争関係は米国の対アフリカ政策と無関係ではないが一部に過ぎない、と言っている。 アンゴラは独立後27年間内戦で、ソ連とキューバは政権側を米国は反政府側を支援してきた。2017年まで38年間政権にあったドス・サントス前大統領は米国に強い不信感を持った。対米不信は、港と内陸を繋ぐ鉄道を含むインフラ計画に中国他が財政援助する素地を作った。 12年に完成したこのプロジェクトは計画通りにはならなかった。機材は粗悪品で中国は修繕しなかった。
ドス・サントスが指名した後継者ロレンソは、伝統的パートナー以外の支援者を模索し、10年後に鉄道拡張を検討し始めた時、中国の入札を拒否し米国主導コンソーシアムによる30年借款を選んだ。 経済協力は米・アンゴラ関係を深化させた。アンゴラは隣国コンゴ民主共和国の紛争仲裁で重要な役割を果たし、ロシア外相への第3次世界大戦に関する警告のように、中露に立ち向かうことを厭わなくなっている。これは、両国にとり良いことだ。 米国は米国はアンゴラと過去に無い深い外交パートナーシップを持ち、コンゴ民主共和国の問題で真剣に協力している。彼らは米国の関与を希望しているが、これは他のパートナーとは違う。 * * *