「タンス預金」として残しておいたお金すらNISAにつぎ込む妻。さすがに手元に置く「現金」や「貯金」がないと、緊急時に備えられない気がするのですが……
新NISAの存在が話題となり、さらに直近の日本の株式市場は好調です。しかし、そんな状況下で貯金に大部分を新NISAにつぎ込んでしまう方もおり、そんな家族に頭を悩ませている方もいるようです。 そこで、新NISAを利用するに当たり、貯金や手元に置いておく現金(以降、現預金とする)と、新NISAとのバランスについて考えてみました。
投資のメリットとデメリット
まずは、投資全般を利用する際の主なメリットとデメリットを考えていきましょう。 メリットの1つは、経済成長とともに、自身の資本を不労所得のように増やせる点です。例えば100万円を年利5%で運用しつづけていれば、20年後には運用成果が265万円を超えます。 一方、デメリットの代表としては、値下がりのリスクがあります。例えば、NISAを利用して投資信託を通じて株式市場に投資している場合、景気の悪化によって損をしてしまう可能性もあります。すると、例えば円換算で100万円だった投資信託が90万円に下がる、などということもあり得ます。 そんなとき、子どもの学費が仮に100万円必要だったとしましょう。この100万円の学費を投資信託のみで備えていると、投資信託の値下がりによって、学費が賄いきれなくなってしまうのです。
NISAに限らず、投資をするならリスク分散が基本
先の値下がりリスクを考えると「貯金しておくのがやっぱり正解では?」と思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。簡単に言うと、資本主義社会では、時間の経過とともに経済が成長していくのが基本です。経済が成長していくとは、平たく言うと、人々が豊かになるということです。 豊かになるとは収入が増えること、そしてそこに連動して物の価値が上がることでもあります。つまり、時間の経過とともに現預金1円当たりの価値は低下していくことになります。100年前の物の物価と今の物価を比較していくと、それがよく分かります。 言い換えれば、現預金だけを所有していることもまた、お金の価値が下がるリスクになりうるわけです。NISAも含めた投資はリスク分散が基本です。一部を預金したり現金で手元に置いたりしてから、一部を投資に回して資産運用することが必要になるわけです。