中国株ボラティリティーのヘッジコスト、中期的な信頼感を示唆
(ブルームバーグ): 中国株について、支配的なセンチメントは楽観に転じた。
先週発表された中国の大規模な景気刺激策により、香港上場の中国本土株から成るハンセン中国企業株(H株)指数は先週、週間ベースで約13年ぶりの大幅高を記録し、世界の主要株価指数で2024年のリターン上位に食い込む軌道に乗った。さらに、この上昇を追いかける市場参加者の動きで、向こう1カ月のボラティリティーをヘッジするコストは6カ月のコストとの比較で2年ぶり高水準となり、中期的な信頼感が示唆された。
中国はわずか数日間に個人消費から住宅市場、国内株式市場に至るあらゆる分野を活性化させるための施策を強化。H株指数の年初来パフォーマンスは9月前半時点ではわずかな上昇にとどまっていたものの、その後の11営業日続伸で22%余り値上がりし、18年以降で最長の上げ局面となった。
マシューズ・アジアのポートフォリオマネジャー、マイケル・オー氏(サンフランシスコ在勤)は「中国政府は今回、迅速な変化の必要性を感じているようだ。中国政府は引き続き市場を支援していくと投資家が確信すれば、この上昇は続くだろう。中国株はあまりにも割安になっていた」と述べた。
期待外れな経済データの発表が相次いだことで、年5%前後の成長目標を達成できるかどうか投資家の間に疑念が生じ、中国株は低迷を続けていた。今月に入り、H株指数のバリュエーションは今後12カ月間の予想利益の7倍近くとなった。5年間の平均は8倍を超えていた。
しかし、先週、全てが変わった。中国は金利と市中銀行の預金準備率、借り入れコストを引き下げ、株式市場のてこ入れを表明。個人消費を刺激するための給付金支給を発表し、さらに国内の牛乳生産への支援まで打ち出した。
株価上昇に伴い、H株指数の下落に対するヘッジコストは同指数が数年来の高値を記録した15年以来の低水準に減少。同時に、強気のポジションは弱気ポジションとの比較で6月以来の高水準に達した。