日米通算2000本安打に後「26」の青木宣親が不動のレギュラーに昇格へ
アストロズの青木宣親(35)が15日(日本時間16日)に行われた敵地のアスレチックス戦で“ノーヒットリレー”を阻止した。7回に「8番・レフト」でスタメン出場した青木の打席が回ってきた。アストロズは6回に、3四球と敵失で2得点していたが、アスレチックスの2人の投手に7回まで“ノーヒットリレー”に抑えられていた。2-5と3点を追う7回の先頭打者だった青木は、アスレチックスの3番手右腕ヘンドリックスから、レフト前へヒットを流し打った。そして今季初盗塁も成功。8回にはセンターへの犠牲フライ。さらに青木は、アストロズが9-6とリードを9回にはセンター前へタイムリーと大活躍でチームは、10―6で逆転勝利をつかみ4連勝となった。 青木は、前日14日のアスレチックス戦でも5回に今季1号本塁打、6回には、勝ち越しのタイムリーヒットを打つなど、絶好調。WBCでは唯一の日本人メジャーリーガーとして侍ジャパンに参加、チームの精神支柱となり、準決勝進出を引っ張ったが、アストロズ内での存在価値も変化してきた。 地元紙のヒューストン・クロニクル紙は「青木が対左投手でも出場機会を得た」という見出しで、青木が不動レギュラーのポジションを勝ち取った現状を報じた。 「シーズンを迎えるときには、青木は、右投手のときにだけプレー(先発起用)すると考えられていたが、アストロズのヒンチ監督は、左打者の青木のプラトーン起用に関してはニュートラルに見ているようだ」と、チーム方針が変化している実情を伝えた。 記事では、「青木は土曜日の試合、アスレチックスのマネイアが左投手であるにも関わらず、左翼で先発出場した。左投手でも先発するのはこれで3度目だ。このほかは、4月6日のマリナーズの左腕ミランダ。4月7日のロイヤルズの左腕バルガスの試合だ。ストロズは開幕からの12試合のうち、7試合で左の先発投手と対戦している」と、ここまでの経緯を紹介した。 さらに青木の通算成績を見ると、左の先発投手を苦手にしていないデータも指摘した。 「青木の4月15日まで成績は、左投手に対しては693打数で、打率.307、出塁率.362。右投手に対しては1707打数で、打率は.278、出塁率は.349だ」 ヒンチ監督は、こんなコメントを残している。 「この左打者は、このスタイルの左投手にぶつけたい、という考えはある。しかし、青木は、ピッチャーの左右に関わらず打席で粘り強さを見せている。特にストライクゾーンのなかでバットがよく振れていて、青木自身のバッティングができているときは、とても打席で粘り強く、心地よくやっている」 青木に引っ張れるようにチームは開幕から8勝4敗でア・リーグ西地区の首位。 アストロズの公式ホームページには青木が7回に放ったチーム初安打の動画も掲載された。 ヒンチ監督は、試合後、「我々はとてもよく得点できている。今日は試合のなかでうまくいかない時点もあったが、いったん、試合が回り始めると、バッターは出塁し、走塁でも有利な状況を作り、せっせと打ち続けた。価値ある一打も何本かあった。我々のチームはあきらめず、プレーしつづけた。こういうチームのキャラクターは私の望んでいるものだ」と話したそうだ。 価値ある一打、走塁、あきらめずにプレーし続けたことの全てにこの日の青木の姿が重なっている。 3試合連続のマルチ安打で、日米通算2000安打まで、あと「26」本と迫った。不動のレギュラーに昇格した青木は、当然、出場試合数も増える。記念すべきそのXデーは、予想より早くやってきそうだ。