香取慎吾の芝居には“吸引力”がある 『ほん怖』主演作は“ドラマとしての面白さ”に期待!
香取慎吾が放つ、“笑い”だけじゃない深みのある演技
印象的だったのは、香取の単なる“笑い”だけじゃない深みのある演技。顔芸や大げさなリアクションはともすれば視聴者を白けさせてしまうが、香取が演じる舎人には人間味があり、本人はあくまでも真剣であることが伝わってくるので素直に笑えるのだ。一生懸命やっているのにいつも失敗してしまうところも他人事とは思えず、思わず応援すらしたくなってしまう。近年は映画でもその高い演技力が評価されており、2019年公開の『凪待ち』では主演を飾った。香取演じる主人公の郁男はギャンブル好きのどうしようもない男だが、彼にもまた憎みきれない不思議な魅力がある。シリアスからコメディーでも、香取の演技には独特の吸引力があって、目を離すことができない。 ちなみに『誰かが、見ている』には、稲垣も演歌歌手の“レッツ大納言”役で出演し、舎人役の香取と抜群のコンビネーションですれ違いコントを披露した。今回は香取が出演する恐怖VTRを稲垣が観るというまた違った形での共演となる。香取が『視える!?』で演じるのは、高校教師の磯村武。未来が視えてしまうが故に突拍子もない行動が多く、生徒からは心配性の変わり者と思われ、“ミライ先生”というあだ名で呼ばれている。 そんな磯村が担任クラスの生徒・美咲に関する未来が視え始めるところから展開されていく本作。あらすじだけではホラー要素が掴めず、ただ怖いというよりは、少し奇妙な物語となるのではないだろうか。香取は今回の発表に際して「これまでは、はじけたりとか、はっちゃけたりとか、けっこうキャラクターが先行するようなドラマをたくさんやってきたので、そんな僕からすると、久々のドラマですし、“ちゃんと先生をしている”という感覚なんですよね」とコメントしており、単なる恐怖映像にとどまらない、ドラマとしての面白さや、『幽かな彼女』(フジテレビ系)での幽霊が苦手な教師役も記憶に残る香取の演技にも期待したいところ。VTRを見終わった稲垣の反応にも注目したい。
苫とり子