ライバルだけど仲間!「モリゾウチャレンジカップ」で見たドライバーの熱い絆【元SKE48梅本まどかのラリー日記004】
ラリーはほぼ初挑戦! コンビを組むCUSCO Racing 星涼樹選手
私がタッグを組んでいる星涼樹(ほし あつき)選手は、ラリーに挑戦するのは初めて。ですが、実はWRCチャレンジプログラム(※TOYOTA GAZOO RacingがWRCで活躍できる日本人ラリードライバーを発掘・育成するため2015年にスタート)の選考会にチャレンジをしており、大竹直生選手(おおたけ なお/TOYOTA GAZOO RacingーWRJ)と一緒にフィンランドでの選考会に行った経験があるのです。 他にも今、WRCチャレンジプログラム2期生で2024年3月8~9日行われたフィンランド・ラリー選手権第3戦「トゥリー・ラリー」にGR Yaris Rally2で参戦し、4位になった山本雄紀選手ともそこで仲良くなったそうです。 実は、私と星選手が今年モリゾウチャレンジカップに参戦するリリースが出た後に、山本選手から「星選手とフィンランドで一緒に走って仲良くなり、彼の活躍を楽しみにしているし応援しているからよろしくお願いします!」といった連絡がきたほどでした。 ラリーに対する知識や経験は勉強&体験中の星選手ですが、チャレンジプログラムに挑戦したことから、そういった仲間はすでにたくさんいる選手なのです。
最大のライバル!? 大竹直生選手もWRCチャレンジプログラム・フィンランド選考会メンバー
ラリー三河湾2024の前に行なわれた合同トレーニングで初めてライバルたちと顔を合わせたのですが、その時から星選手と大竹選手は仲が良く、席も前後。 星選手は四駆のマシンもラリーも初めてなので、経験豊富な大竹選手に「四駆だとどうなん?」「オレ、これ分からないんだけどどうなるん?」と質問攻め。大竹選手も素直に「オレの場合はこうだよ」、「1周目でこれを試して、2周目であれをやった」といろいろ教えていたのです。 それに対して「ドリフトだとこうなんだけど、これって…」と星選手が会話を続けると、大竹選手は「ドリフトのことは分からん。そんな感じなん?」と会話が尽きないのです。 こういう、クルマについてお互いが持っている知識で会話をし、でもタイムとなれば「ここはオレが速い!」と自慢し合う関係がとてもいいな!と、トレーニングの時から感じていました。 他の選手たちも、「大竹選手がこのシリーズを引っ張っていく」、「1番勝ちたいライバル!」として見ていて、特にラリー経験者の選手たちは会話に聞き耳を立てていました。 その中で切り込めると思った際には、「どういう感じなの?」と入っていったり…。 そこで少し言葉を選ぶように伝える大竹選手をみると、バトルはホントに始まっているんだな…と、その場の空気が変わったりもしていたのです。 正直、ラリー三河湾2024が始まるまで、ラリー未経験のチームはどんな走りをするのか?という点はもちろん、みんなイコールコンディションで戦ったことがないこのモリゾウチャレンジカップ。 どんな差が出てくるか未知数だったので、始まってから「やっぱり大竹選手の速さって凄い!」とみんなが驚いていましたし、リスペクトする気持ちが高まると同時に、そこのタイムを超えた時の喜びは大きかったと思います。